立花ハジメがプロデュースする Iモード 公式サイト“THE END”

- - - - -


日本では現在、携帯電話への関心は目覚ましく、ビジネス雑誌だけでなく情報誌、一般誌、ファッション誌などでも話題として盛んに取り上げられている。昨年春にサービスがスタートした NTTドコモの iモード の影響が大きいが、 これはごく簡単に言えば、「インターネット接続を果たした携帯電話」というもの。僕もそう思っていた。しかしその本質はどうも違うみたいだ。グローバルネットワーク・メディアとしての「インターネット」ではなく、「 iモード」はむしろローカルネットワーク・メディアであるという。少なくともドコモのスタッフはそう言い切っている。 「 iモード はインターネットではない」と。これはあくまで携帯電話を利用した日本独自のコンテンツ提供サービスなのだ。

そんななか、先日立花ハジメさんと会う機会があった。立花氏がプロデュースする iモード 初のアーティスト・チャンネル「The END」に関して話を聞くためだ。
「The END」はドコモの iモード 公認サイトとしてこの8月にスタートした。これは、立花ハジメ、横尾忠則、藤原ヒロシ、浅田彰、山口小夜子といったアーティストが参加し、着メロ、待ち受け画面、そしてテキストといったコンテンツを配信するもの。

当初、 iモード のコンテンツといえばバンキングやトレード、そしてニュース配信といったものが大半だったが、今年に入ってエンターテインメント系のいわゆる「アーティスト・チャンネル」が登場し始めたことで、徐々にそのコンテンツも充実してきた。とはいえ iモード でいう「アーティスト」とは宇多田ヒカルであり、鈴木あみであり、榎本加奈子なのだが……。そうした状況の中で The END のようなコンテンツの登場は、メディアとしての定着度を示しているかもしれない。

無難なデザインとしての端末デザイン、マスに向けての最大公約数的な満足を満たすコンテンツから、言葉通りの「アーティスト」チャンネルが登場したことは、ひとつの表現の場として世の中で認知されてきた現れだろう。The END では着メロという形の「音楽」、待ち受け画面という形の「グラフィック」、そして画面の文字情報は批評やエッセイ、コアな情報といったコンテンツとして配信される。

実際立花氏は、 iモード サイトとしての「The END」を自身のニューアルバムだとも表現している。アップされている着メロの中には、2分近いループのものもある。着メロの機能としては最後まで鳴らすケースはまず無いだろうが、これを楽曲として見れば、携帯の「着メロ再生」機能はウォークマンの「PLAY」ボタンと同じ機能にもなる。すると携帯端末は4声のシンセサイザー音源となり、着メロは単なる「着信音」ではなく「環境音」、そして「音楽」ともなるだろう。

そしてこのサイトのもうひとつの特徴は、レギュラーアーティストの他に、ゲストコーナー、そして投稿コーナーが用意されているところ。これは特定のアーティストにコンテンツを固定せず、公認サイトとしての利点を最大限に発揮する試みでもある。投稿受付という形で外に開かれることで、コンテンツを制作するすべてのユーザーが、実質的に「公認サイトを共有できる」という意味もあるという。

いわゆる「勝手サイト」と呼ばれるボランティアサイトは、現在約2万件以上あるといわれるが、公認と勝手との大きな違いは、ダウンロード見合いでギャランティされるかどうかという点。自分で作りたいものを作り、自由にアップロードすることはそれこそ「勝手」なのだけれど、そこにクオリティのジャッジと社会性・経済性を備えた双方向性が備わる点は大きい。「公認」というと体制的、お上的なイメージも正直あるけれど、「勝手」という名のミニコミ的アマチュアリズムと明確な一線を引くには有効だろう。グローバルネットワーク・メディアとしてのウェブサイトの、混沌と可能性に相変わらず注目しながらも、ローカルネットワーク・メディアとしての iモード を正面から捉える試みとして興味深い。

「The END」へのアクセス
iモード → エンターテイメント → ヴィジュアル → アーチスト C.The END

Text: Jiro Ohashi from E-Regular

【ボランティアスタッフ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
icon
MoMA STORE