サーボ

PEOPLEText: Anthony Augendre

サーボは、パリ在住の若手アーティスト。レコードジャケットのデザインや、CD-ROM、ウェブサイトデザインなどのプロジェクトを数多く手掛けている。彼の最近の活動は実験的な音楽とインタラクティブな画像で作られ、コントロールされたライブにフォーカスをあてている。20区にあるクラブ、ラ・マルキネリのステージで彼に話を聞くことができた。このインタビューが彼のグローバルな活動を認識する手がかりとなるだろう。

バックグラウンドを教えてください。どんなことを学び、どんなことを経験してきたのですか?

グラフィックアートを3年間学び、奇妙でダークな繰り返しの音楽がとても好きです。フランスのインディーズバンド、フォン・マグネットなどのレコードジャケットをデザインし、インディペンデントミュージックプレスのグラフィックアートをし、コンピューターライブのグラフィックをやっています。僕は大抵一度に沢山のリズムを作ります。僕が経験してきたもの全てが今を形成してるのです。

インタラクティブ素材を使うようになったのはなぜですか?

ソフトウェアが新たな可能性の正体に、少しづつではあるけど光をあてることができるということに気付き、それを追求しているうちに、いろいろなことが可能になるということに気付きます。巧妙な操作というものは時にはより明白で、興味深い物事に僕達を導いてくれます。理論的にはショックウェーブを使い、とてもシンプルでベーシックな要素を持つ周期的で永久不変の環境を生み出すことが可能になるのです。

あなたが作り上げたものとユーザーとの関係があなたにとって非常に重要なものになっているのはなぜですか?

暖かいくて冷たい人間の行為は、規則正しすぎるメカニズムの完璧な働きに不可欠な「アクシデント」を引き起こすからです。

インターネットや音楽、プリントは時には相反するドメインです。あなたにとって一番心地よいものは何ですか?また、それはなぜですか?

僕個人的には音楽をやっている時に最も自由を感じます。コンピューターによって生まれたものであっても、音楽は最も有機的なドメインだからです。インターネットはかなり広大で技術的で実験的な分野です。プリントは今日ではもはや一般的なものではありません。僕のアプローチとしては、割と古風な主義でやっています。

あなたの作品の中にはソフトで有機的な形と角張った幾何学的な形の、はっきりとしたコントラストがありますが、それが主な目的となっているのでしょうか?

目的は「振動を取り入れること」です。それは物事を別の領域に自然に導くセンスの渦巻きです。直線的で精密な決まりがあり、人工的な機械や非常に周期的な世界に関連し規制されたグラフィック要素に反して、有機的なドメインは実にソフトで変化があり、自然でシンプルな行為に結びつくドメインです。

あなたの音楽にはビジュアル作品においてよりも、共通する美的関心があるのでしょうか?

主に僕が関心があるのは、できるだけ少ない要素で感覚に働きかけることです。

あなたのアートや作品は非常に固く、攻撃的にさえ感じられますが、一種のアバンギャルドな詩のような感じもします。デジタル詩人になりたいと思ってやっているのでしょうか?

詩とタイポグラフィーには関係があります。詩は時に最小のフォーマットで感情を揺り動かします。この2つの間には密接な繋がりがあるのです。僕がグラフィックを製作する上で僕を導いているもともとの欲望は、基本的には視覚的で、その他の感覚を揺り動かすのに十分なスペースを残す音を作ることです。表現は発展し続け、自分自身の知覚によって変化するものなのです。それは攻撃的でダイナミックなものですが、常に動き続けるものなのです。

Text: Anthony Augendre
Translation: Mayumi Kaneko

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