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リズ・ファーバー

PEOPLEText: Nicolas Roope

仕事をすることによってリズはクリエイティブ産業の主役となる力に触れることができる。彼女は仕事に対する情熱をチームの他の人達と共有している。

『この雑誌で働いているみんなが興味のあることは、大体同じだと思います。新しく生まれてくるものや様々な展開を見るのはエキサイティングです。それが仕事を価値のあるものにしているのです。』

同じように、産業の革新や変革とも密接に接している。リズは新しいメディアに触れ、自分自身の興味を膨らませる機会を得て満足しているようだ。

『全く新しいもの、可能性、潜在的な可能性です。』彼女をエキサイトさせるもの。表面に現れ始めた可能性のひとつは、本質的に「デザインされた」インターフェイス技術を通して情報がどのように機能するかということについての理解を発展させることである。

『デザインの視野から見ると、現在までの新しいメディアはプリントを基本としたものです。今後はどうやって情報を表現するかということになって行くでしょう。物事はよりコミュニティーを基本としたものになり、よりローカライズされて行くと思います。情報管理はデザインとプログラミングの技術をひとつにするという点で、実に私をエキサイトさせます。このことがデザインを今までにないエキサイティングな次元へと押し上げることになるでしょう。』

リズに興味のあるインターフェイスの例をあげてもらった。

CARTIAは、テーマ・スケープというソフトウェアを使用しています。そのソフトは文章を構成要素に分解し、それぞれのパートでテーマを探すものです。テーマはその後データベースに組み込まれ、マップにトランスレートされます。SEXといったようなテーマは山として表示されます。ページを吸収する情報は想像もしなかったような方法で表され、ページはシングルマップで表されます。』

クリエイティブ・レビューの記事を書くのと同様に、リズは多くの本のプロジェクトにも関わってきた。その一つに、昨年発行された「Re:Play」がある。それは近年世界規模で復活を遂げたゲームグラフィックへのリズの興味と結びついた。僕達が子供時代にギャラクシアンやスペースインベーダーで遊んでいた頃は、ピーという音やブロックのグラフィックが僕達の皮膚の一部となっていて、20年後に様々な展覧会やオマージュに見られるような熱狂的な爆発となって表面化するなどということには気付きもしなかった。

ゲームのグラフィックというのは、棚に並べられることができるかという競争に負けてしまうこともあるとリズは信じている。ワイプアウトのようなゲームの質を目にした時に、デザインがもっと重要視されていたらもっと良い物になり得ただろうということを実感することは悲しいことだ。

『ゲームデザインの世界はとても派閥的です。DOOMは現在のシューティングゲームの地位を築いた第一人者です。誰もがDOOMに興味を示し、多くのゲームがそのスタイルに続いたのです。』

今になってやっとゲームがかなりの市場になると気付いたのは広告関係者である。

『ディーゼルは、Gポリスのスポンサーとなり、その新しいスノーボードゲームではディーゼルのウェアを着ているボーダーが登場します。』

広告媒体としてのゲームに対する興味は、現代のキャラクターデザインへのひとつの返答であるとリズは考える。例えば、トゥームレイダーのララ・クロフトはスーパーマリオに比べるとすごく複雑なキャラクターであり、広告関係者を魅了するのはその複雑性にある。ララは古い時代のゲームが生み出すことのできなかった特徴のひとつである「セクシー」の要素を持っている。リズはララを生み出したキャラクターデザイナーと話す機会があり、彼はララがボーイフレンドに出会うという安っぽいシナリオをゲーム発売側が言ってくるのを予防する手段としてララのキャラクターを設定したので、これは不可能なことだった、と説明したらしい。最近のテレビ広告でララを起用したソフトドリンク、ルコザデを魅了したのはこの独立性である。

リズに、これからの予定について聞いてみた。

『私が話せることは何もありません。』

リズが興味のあることを共有したいなら、「Re:Play」と「Browser」を見てほしい。新たな出版物も現在進行中だ。

Text: Nicolas Roope
Translation: Mayumi Kaneko

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