スティーブ・エトウ

PEOPLEText: Kyota Hamaya

在日日系米国人唯一のメタルロックパーカッショニストとして、広く知られているスティーブ・エトウ。ノーマルなパーカッション類はもちろんのこと、 声、鉄骨、ドラム缶、ギター、電動グラインダー、電動ハンマー等を駆使し、楽器やジャンルに問われることなくスタジオワークやステージにおいて文字どおり火花を飛ばし続けている。

また、日本を代表するミクスチャーミュージックを展開するバンド「デミセミ・クエーバー」の一員として活動する他、ファッションモデル、ビデオクリエーターとしてもその才能を存分に発揮している。

彼のステージはとにかく激しい。身体から発するオーラが尋常ではない。メタルを叩き、お客を煽る。ただシリアスではなく、その中に笑いやジョークが込められている。一度ハマると逃げられないかもしれない。3月に彼は、デミセミクェーバーのアメリカツアーを行った。彼のウェブサイトではそのレポートも公開している。渡米直前に彼の素顔に迫った。

デミセミ・クエーバーのようなミクスチャーミュージックというのはアメリカでの反応はいかがですか?

やっぱり日本と同じですね。ウゲーって言う人たちもいれば、なんじゃこりゃって見ている人もいるし、反応的にはそんなに変わらないと思います。

今まで様々なアーティストに参加していますが、リーダー作というのは作ったことがなかったんですか?

初めてなんですよ。バンドみたいのはいくつもCDを出しているんですけど、自分名義というのは、初めてなんです。

なぜ、今まで作らなかったのですか?

自分が真ん中に立つというイメージが湧かなかった。それが大きいですね。真ん中のボーカリストに対して何をするか今まで考えていた。だからインストとかあんまり好きじゃなかったですね。歌があって、デミセミ(クェーバー)みたいな変なのから、歌謡曲も含め。あれで食えるようになったとしても、デミセミをずっとやったら飽きますよね(笑)。(藤井)フミヤとかずっと彼がソロになってからつき合っているんですけど、メジャーな大きなツアーも平行してやっていないと、ちょっと体調崩すかな(笑)。

すごく極端なバランスの上に成り立っているんですね。

だからといってもやり方を変えているわけでもないし、やっている上での気持ちは同じかな。

スティーブさんの音楽はニューヨークなどのストリートでやっているSTOMPに通ずるものがあると感じたんですが。

うん。そうですね。あーゆーパフォーマンスとかね、日本には来れないですけど、「BLUE MAN」というグループはご存じですか?マンハッタンでやっているパフォーマンスなんですが、ストンプをさらにコミカルでもっとひねって。ストンプって最終的に音楽にまとまっていきますよね。打楽器セッションみたいな感じで終わってしまうんですが、結局「なんだ君たち叩きたいのか」と思ってしまって個人的には物足りないんですけど、「BLUE MAN」というのは、もっとパフォーマンス寄りなんですよね。

もちろん音楽も絡むんですけど、僕みたくスキンヘッドにしたのが3人出てきて、全員顔とか手とか真っ青に塗っているんですよ。それで「BLUE MAN」って直球なんですけど、その人たちが色々ドラム缶とか、楽器にしてもねじくったものを使ってパフォーマンスするみたいな。それはすごく面白いんですよ。ハコ自体が作り込まれていて、何年も続いているショーで、大きさ的には割と小さめなとこでやっているんですよ。

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