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シュー・リー・チェン

PEOPLEText: Mariko Takei

トーク・サロンの時にヘアートやシューリーが言っていたことですよね。タクティカル・メディアのこととか。

タクティカル・メディアね…、ヘアートやいろいろな組織の人々は以前、不法占拠者でした。空き家がアムステルダムに沢山あった時期でもあったんですが、そこに住み着いてコンピュータをいじったりね。

実はWaagが今、3月に向けて「N5M」(Next 5 Minutes) と呼ばれるカンファレンスを計画しているんです。今年は3回目になるので「N5M3」なんですが、そこに私はインターナショナル・コンサルタントとして関わっています。アイディアとしては、異なる国からいろんな人を巻き込んでいこうというもので、例えば、パブリックアクセス・メディアやテクノロジーということに関わっている人や国とか、社会的、政治的な側面でのメディアということで仕事に携わっていたりとか。

だからタクティカル・メディアはメディア戦略を話し合っていこうっていうことなんです。ニュー・メディアで何ができるかとか。例えば社会的ムーブメントをどう動かしていくのかとか、もっと小規模なことでもです。ここ数年間でわかったことは、いろんな国でいろんな人がいろんなことをやっているということなんです。

沖縄の人は何年も軍用ベースに反対していますよね。ほかにも軍のベースのためにエコロジーの問題も抱えている。だから人がローカルな、グローバルな関係を必要としているんですね。異なるグループ間の繋がりというものによって、みんないっしょになれたりします。素晴しいと思うんです。

「N5M3」ではネット・イベントはありますか?

アムステルダムで実際にカンファレンスが行われますが、もちろん多くのネット・イベントがあると思います。タクティカル・メディアの全体のアイディアはハイテク使用をする必要がないんだということでもあるんです。もしインターネットがなければ、ファックスを使えばいいし、ファックスがなければ…。

手紙を書く!

そう、その通り(笑)。アイディアはテクノロジーということではないんです。必要なことに何を利用するのかってことなんです。こういうことって魅力的だと思うんです。今年のN5Mの焦点のひとつは、異なる戦略というもので、どんな種類のメディアで異なる戦略を使用するかってこと。

もうひとつはエレクトロニック・ボーダーについてです。エレクトロニック・スペースでのナショナル・ボーダーとか、そういった領域があるのかどうかってことです。異なるメディアを使うということが大体のアイディアですね。

インターネットやテクノロジーというものを作品に取り入れてますが、その興味というのはどこからきているのですか?

実は全て独学なんですけどね、説明書とか読むの苦手で…(笑)。例えばフォトショップなんかだったら、基本は勉強したりするけど、もっとすごくクレイジーなものだったらできないです。そういうことが、私がセンサーをインスタレーションに使うために勉強するのと同じなんです。

テクノロジーが発展しているいま、全てが専門化されてますよね。Javaプログラミングする人が、「私たちはJavaプログラミングしかしません」って風だったり。だからすごく全てが専門化されている。センサーだったら、ある一定の人たちがセンサーに詳しかったり。アーティストとしてそういったテクノロジーに関わって仕事をしていると、現段階では学びきる時間がないんです。でも、少なくとも何を学べるかっていったら、コミュニケーションをとるための言語を学べると思うのです。センサーが何ができるかわかったら、今度は「こんなことはできるか?あんなことは?」っていうように、アーティストはテクノロジーをプッシュする想像力を持っていると思います。

専門知識をもっている人は大体においてその専門を知っていますが、アーティストとコラボレーションする上で彼等がチャレンジすることで、どんどん発展させることができる。すてきなコラボレーションですよね。お互い助けあいながら、物事を進めていくコラボレーションにはいつも気持ちがいいなと感じています。

今後のプロジェクトの予定は?

ブランドンが1999年までずっと引き続きあります。2000年にはインターネット・プロジェクトをやるつもりです。あと、エレクトロニック・スペースをデザインするのにも興味あります。実在のスペースとかパブリック・スペースといったようなものです。

今はブランドンや映画を終えて、次の2000年のプロジェクトをやりたいなと思ってます。実は2000年に向けてフィルムの脚本を沢山書いているんです。東京を舞台にしてね。

東京の後はどちらに行かれるのですか?

たぶんアムステルダムに戻ってブランドンを仕上げます。アムステルダムとニューヨークを行ったり来たりすると思いますよ。

Text: Mariko Takei

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