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ニック・フィリップ

PEOPLEText: Mariko Takei

今回の展覧会ではポスト・ヒューマンをテーマに作品を作ってますが、そのアイディアについて聞かせてください。

「The End of Man」というアイディアがベースにあって、その中で、テクノロジーの助力を受けた人間の進化時期に僕達が突入していってるということが「ポスト・ヒューマニズム」のアイディアとなっているんだ。「ディープ・ブルー」や、ナノテクノロジー、クローンや遺伝学、インプラントなどの人工的インテリジェンスのような新たなテクノロジーの発展を通して、僕達は最も基本的な質問となる人類の存在に対して問いかけたり、ひょっとしたら答えられたりできるのかもしれない。テクノロジーがネットワーク化した自己調節的インテリジェンスへと進化するにつれて、ますます僕達に近いものになってきている。そして僕達が自分自身である意義や、ついには人間であることの意味を再定義したりといったことを問いかけているんだ。表面部分での「The End of Man」というのは世紀末を思わせるけど、人間の終りと何か超えたものの始まりといった「死と再生へのシャムナの旅」ということと似ていると思う。

そのアイディアをどのように作品に取り込んでいるのですか?

さきほど話した「lightbox」がこのコンセプトをもとにしたシリーズ作の最初のものとなるんだけど、プロセス化した身体のイメージを等身大に組み立てたもので、最初の作品の「ontological vertigo」では変還期を迎えるに連れ感じる恐怖を表現して、作品の上の方にはフーコーの文章を引用している。他のコンポジションでは人、マシーン・インターフェイス、インプラント、プロテーゼ等を図式ダイアグラムで表現したり。

ICCでの展覧会ではワークショップも開催したということですが、どのような内容だったのですか?

作品の解説をコンセプトの説明も交えて一通りしました。筋道を辿ってみていくみたいな感じで面白かったよ。先週はスライドで作品を見せてその作品のアイディアやその時代にどんなことがあったかを話したりね。
今週のは友人や日本人のDJが来てプレイしてくれて、きのうはジェフがフォトショップのレクチャーをしてテクニカルな部分でどう作品をつくったかってことを話したり。

海外では今回のような展覧会をやったことはありますか?

ないですねぇ。ワークショップというのではレス・フェストでパネルをやったことあって、映像作りについてレクチャーしたことがある。あと「シーグラフ」が毎月会議を行っていて、作品を見せあったりするんだけど、6ヵ月前に「ラディカル・ビューティ」を見せたりした。けど、今回のが今まででは一番大きい展覧会だった。

日本には何回か来ているけど、今回もビデオ・アーティストやミュージシャンに出会ったりして、本当に楽しかったよ。興味深かったのが、日本で感じるヴァイブがすごくポジティブだなぁって気がしたこと。たぶんサンフランシスコでよりももっとポジティブだと思う。もちろんサンフランシスコでも人はポジティブなんだけど、もっとテクノロジーとか音楽のダークな部分にのめり込んでいる。でも日本ではみんなポジティブに見える。作品のことも交えて話すけど、僕の昔の作品っていうのがすごくポシティブだったし、最近ではそういうポジティブなところを現実に起こっていることと合わせていこうと思っているんだ。ポジティブであるということは大事なことだけど、ポジティブすぎて逃避主義者になりたくはないっていうことがあると思う。

テクノロジーは他と同様で、善くも悪くもあったりする。そういったことに少し注目してつくった作品もあって、「nowhere.com」もその一つだよ。インターネット上でどれだけのことがあるかってことが明白になるけど、どれだけ役に立たないってかってことでもあるんだ。ラディカル・ビューティも同様で、グラフィックにダークでエッジーなところがあって…。

日本に来てアンビエントな人達と遊んだりしてるとみんな僕の昔の作品が本当に好きで、新しい作品についてはなんていうのか、ちょっとむずかしいのかなぁってね。みんな僕のアンビエント作品を知ってて「スピリチュアルでポジティブだね」ってずっとそういう感じで作品づくりをしていると思ってて。ある意味日本に来ると3、4年前のサンフランシスコを思い出すんだ。ただそういった風にポジティブなとこがあるなと感じたんだけどね。サンフランシスコにはたくさんの文化があって、インターネットについて楽観的でハイプなとこもあって、で今ではもうインターネットとか当り前になってしまっている。本当にファイナンシャル・エンジンになってるからね。だからサンフランシスコの人はそういうことは別世界とかって見てないし、そのあたりが日本とは少し違うかな。とにかく日本の人達はポジティブにみえる、素晴しいことだと思うよ。

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