トーキョー・ファッション・ストーリー

HAPPENINGText: Atsuko Kobayashi

周知のとおり、ここ数年日本のファッション誌は大きく変わった。80年代DCブーム時代のファッションビジュアルは、外国人モデルが着た服と、現実とは違う設定にある写真、いってみれば虚空の世界が占めていた。

雑誌「CUTiE」が創刊されたのが10年前、それから多くのファッション誌が日本人をモデルに、日本人のフォトグラファーによるビジュアルで構成するようになった。ここ数年はホンマタカシやヒロミックスなどの写真家が注目を集め、ストリートベースのファッションが定着し、現実と誌面が近づいたファッション誌が多く登場した。そんな中、今東京で最もトバシている若手写真家の作品を一同に集めた展覧会が行われた。

発表された写真は「CUTiE」「H」「ジャップ」などの雑誌で活躍している11名のファッションフォトグラファーの作品。石田東、稲葉元、鈴木親、若木信吾、富永よしえ、野口里佳、長峯正幸、内藤啓介、大沼茂一、新津保建秀の国内外のファッション誌で発表された写真が展示され、同名の写真集も発売された。

そこにあった写真はまさに私たちのリアルライフを映し出したもの。見ている側と写真との間に大きな隔たりはない。ファッション写真はよりリアルになっていて、だからこそ今とても面白いと感じさせる展覧会だった。

TOKYO FASHION STORY
会期:1998年4月10日〜5月18日
会場:渋谷PARCOギャラリー
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1
http://www.parco-art.com

Text: Atsuko Kobayashi

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