サーキュレーション・モジュール

HAPPENINGText: Rita

BPM早めのテクノサウンドにパワフルなダンスで観客を魅了してきた「NEST」。その活動は1991年に発表された「Never More」から、回を重ねる毎に、ダンスのみならず各アーティストとのコラボレーションやインスタレーションも飛躍的に充実し、グレードアップしてきた。1997年3月には「UT」をスロヴェニア公演でも成功を収めた彼らが、約一年ぶりの新作「Circulation Module」(サーキュレーション・モジュール)を新宿パークタワーホールで披露した。

ステージはなんと鉄筋3階建て。中央にダンススペース、正面には映像用の巨大なスクリーンが設置され、3階を確保できたラッキーな観客は、すべての交点を上から体感することが出来できてしまうのだ。もはやダンスというカテゴリーではくくれないインスタレーションが始まった。

ケンイシイのリミックスなどで知られるDJムードマンと、生テクノユニット「マルチプレックス」のテクノサウンド、ビデオアーティスト達が手掛けるサイケデリックかつオルタナティブな映像。それにライティングがスパイスをきかせ、10分という時間軸の重なり合いを各アーティストと共有し絡み合っていながら、コミュニケーションを探る。

カットイン-カットアウトの連続で、つまり始まりもなければ終わりもない。ベードラが会場にズンズン響きわたり、DJは加速し、パフォーマーの動きもボルテージがあがっていく…。強烈な刺激と過剰な情報量の渦。五感はかきみだされ、思考する間もなく、ビリビリとした快感に覆われてる感覚だった。

NEST特有の、あの爆音の中をかけめぐるスピード感あふれるキレのいいダンスを期待していた者には、今公演は少々物足りなかったかもしれない。確かに今までのNESTと比較すると、動きはソフトな印象だった。が、しかし、着実に彼らが新たな表現にチャレンジしている様を感じた。イメージやメッセージを伝達するのではなく、その場に要素が集合したときに生じる可能性を探っているようだ。

今回はメディアアーティスト「CINET-P」も参加してインターネットライブやチャット、等も行った。NEST代表の石山氏がいう現社会に根付く「インフォメーション・カオス」を表すべく、その「システム」を体現しょうとしている。まだ、ベクトルの方向が変わり、歩き始めた新生NEST。今後、これからの発展と活動に目が離せない。

Circulation Module
会期:1998年1月15日〜17日
会場:PARK TOWER HALL
http://www.nestv.com

Text: Rita
Photos: Yota Kataoka

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