グルーヴィジョンズ
PEOPLEText: Ako Masuda
アコ:ついでに作品ではなくて仕事の事を聞きたいんですけど、映像関係の仕事も多いんですか?
イトウ:あるけど特殊なやつばっかりだね。
はら:映画の予告編とか。
イトウ:でも基本的に映像も含めて全てデザインっていうスタンスでやってる。
チバシ:やっぱり中心は印刷?
イトウ:完璧に印刷が中心です。でも仕事も大切だけど、どっちかっていうと、これからみんなでやっていく以上、そういう環境をどうやって維持していくかっていう方が大切ですね。特に僕は今までの京都での生活を完全にリセットして一からやっていくわけだから、これからどうやってダラダラしつつ日銭を稼いでいくか、どうやってみんなで楽しくやっていくか、そういう方が大切(笑)。世の中に打って出ようとか、儲けようとか全然考えてないんですけどね。
はら:儲かったら儲かったで「次に何買おう」とかね(笑)。
イトウ:ちょっとした小物買おう、とかね(笑)。
アコ:グルーヴィジョンズのみんなって買い物好きですよね(笑)。そういう所が好きなんだけど。
はら:今は買う暇もないけど(笑)。
イトウ:僕らはどっちかっていうとポジティブなプラス思考の人間じゃないから。引き算が得意なんですよ。ものを作っていく上でどんどん引き算していく傾向が強いんで、だからそういう部分が人生に対する取り組みにも出てるんじゃないかなーと(笑)。
チバシ:その辺のネガティブ思考は、イトウさんが学んでいた現代美術からデザインへのシフトっていうのとは関係があるんですか?
イトウ:うーん・・・っていうか、実際食っていくのが難しいしね。でもウォーホールとかは、あれだけ有名人の絵を量産してバンバン売って、売るっていう事も含めてアートだし、笑えるじゃないですか。そういう方が共感できる。
はら:やっぱり現代美術の事とかアートの事ばっかり考えていると、どうしても視野が狭くなっちゃうじゃないですか。僕らには音楽もアートも同じなんで、現代美術の本を見ながら横で「ラブ」だの「フリー」だの歌ってるハウスを聞いてる。そういうのがないとやっぱり辛いよね。
アコ:最後にグルーヴィジョンズが影響を受けた人を具体的にお聞きしたいのですが、
イトウ:信藤さんですね。現代美術とかよりも、よっぽど過激だと思った。
でもやっぱり、本とかモノの方が大きいかな。
はら:やっぱり小西さんの影響も大きいよね。
イトウ:あるね。僕は人生で三大影響を受けたものっていうのがあって、一つはパンクで二つめがニューアカ(笑)。で、三つめが渋谷系っていう。
なんかねー、ムーブメントが好きなんですよ、僕。割と軽い人間なんでムーブメントがあるとパーンと乗ってしまう(笑)。
はら:でも、この間の引っ越しでニューアカは捨てたよね(笑)。
Text: Ako Masuda