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グルーヴィジョンズ

PEOPLEText: Ako Masuda

チバシ:グラフィックはやっぱりフォトショップで作っているんですか?

イトウ:いや、イラストレータの方がメインです。フォトショップって重いじゃないですか。

アコ:うん、グルーヴィジョンズの作品って本当にイラストレータが上手いなーていう感じ。

イトウ:イラストレータは楽だからね。部品に分けられるから、パーツとパーツを組み合わせて色々なものが作れるでしょ。でも僕らって全然コンピュータ詳しくないんですよ(笑)

はら:詳しくない(笑)。

イトウ:分かるところと分からないところの差が激しくありますね。目的に合わせて必要だったら調べるし、分からなかったら諦める(笑)。
「いーや、やめとこう」とか(笑)。

はら:みんなマニュアル読まないから、それぞれやり方が違うしね。

チバシ:このインタビューの事前にアコさんと打ち合わせをしたんですけど、その時にグルーヴィジョンズはだらっとしている要に見えても実はコンセプチュアルなんじゃないかっていう話が出て・・・

イトウ:そんなことないっすよ(笑)

アコ:ピチカートの新しいCDのブックレットのパラパラ漫画にしてもそうなんですけど、本来静止しているグラフィックが動かすっていうグルーヴィジョンズの手法っていうかコンセプトって一貫してあると思うんですけど。

イトウ:うーん・・・。逆にいったら、訴えかけたい事ってなにもないんですよ、一切。形式だけこだわりたいんであって。

はら:さっきの話にもどるけど、フォトショップよりも楽だからイラストレータを使っている。そうなるとやっぱりどうしてもああいうグラフィックになっちゃう。無理してフォトショップですごい絵を作るんだったら、やっぱりイラストレータでっていう。(笑)

アコ:一つの作品を作っていく段階で「ここのパーツは僕が作るからあとはやって」みたいな共同作業っていうのはあるんですか?

イトウ:ありますね。コンピュータ使うと、「コンピュータ=自分の世界」って自己投影しがちなんだけど、パーツとか小さいユニットごとで考えていくと、割と共同作業がしやすいっていうか。共通のフォーマットの上で好きなものを作っていくっていう、それが面白いと思う。だから、ばーんと核があってそれを出したいから何かをやるんではなくて、あんまりそういうのがないからとにかくいろいろなパーツを組み合わせて、そこで何かできたらいいなと。楽でいいし、合理的だしね(笑)。

はら:僕たちって中心がないんですよね。

イトウ:ただ好き嫌いはあるけどね。

アコ:好き嫌いの面でもメンバー全員が一緒の感覚なんですか?

イトウ:それはそうでもないですね。

はら:とくに若いメンバーはそれぞれ違ってるみたいだね。

イトウ:うん。

チバシ:制作の前にブレストってするんですか?

イトウ:やるときとやらないときがある。ただ、インターネットに進出していくときは、ものすごくミーティングをした。

アコ:ふぅ〜ん。そうだったんですか。

イトウ:キチガイみたいにやって。デモを作って反省して、とかもやった(笑)。

アコ:イトウさんが「楽しそうだからやってみよう」とかって始めたわけじゃなかったんですね(笑)。

イトウ:かなり真面目でしたよ。僕たちってこんなに真面目だっけ、と思ったくらい(笑)。

アコ:ウェブへの進出って結果的に成功したと思うんですけど、ウェブを作ってからこういうことがあったっていう具体例はありますか?

イトウ:うーん、ウェブの仕事が一時期増えたね。

アコ:ウェブって遊びでは何やっても楽しいけど、仕事でやるとこれほど面倒臭いものはないですよね。達成感もないし。

イトウ:そうだね、そうだね。なんか中途半端な気がするよね。

アコ:終わりがないんですよね、ウェブって。やっぱり印刷とかのメディアの方が仕事として全力投球できるっていうのがあるかもしれない。

イトウ:そうだね。それはあるね。

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葛西由香
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