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UESHIMA MUSEUM

PLACEText: Victor Moreno

地下1階は、大きなギャラリースペースになっており、「絵画における抽象ーその開拓精神」をテーマに、平面作品を中心にキュレーションされている。ローレン・クイン、オスカー・ムリーリョ(コロンビアのアーティストでターナー賞受賞者)、カタリーナ・グロッセ、イケムラレイコなど、異なる世代のアーティストが混在している。この部屋の目的は、異なる世代の表現が時代を超えてどのように共鳴しているのかを来館者に見てもらうことである。『アーティストのバックグラウンドの多様性の広がりに注目しています』と植島氏は語る。


© UESHIMA MUSEUM

1階には、私のお気に入りのアーティストの作品が展示されてた。デンマークのアーティスト、オラファー・エリアソンのインスタレーション《Eye See You》(2006年)は、単周波の光を利用して空間内の可視光線をすべて黄色に塗り替える。この作品は、2003年にロンドンのテート・モダンで発表された前作に基づくもので、エリアソンは、人間のエネルギーを象徴する旧発電所に人工的に太陽を表現した。このインスタレーションは、色彩に満ちた自然界とモノクロームの光の周波数を対比させ、太陽光を極めて狭い周波数帯域に押し込めている。近づくと、光の輪が瞳孔に反射し、私たちは人間らしくなく見えるが、衣服や肌の色は皆平等である。部屋の壁は鏡の役割を果たし、狭い光のパワーを増幅させ、テート・モダンで使用されたインスタレーションと共鳴する。


オラファー・エリアソン《Eye See You》2006

隣の部屋では、作曲家でデジタル・アーティストの池田亮司が、数学、データ、物理現象を探求し、デジタル映像作品を制作している。《data.scan [n°1b-9b]》(2011/2022年)は、9台の液晶モニターがデータの奔流を表示する。池田にとってこの作品は、音楽(またはサウンドデザイン)とビジュアルアートの両方を通して表現される、データを通して観察可能な普遍性の構築である。その目的は、データを解釈することではなく、モーショングラフィックスや音と動きがシンクロする美しさに浸ることだ。膨大な情報量と計算の中で、作品の繊細な構築と崇高さが駆け巡り、複雑な美を提示する新鮮なデジタルの質感を生み出す。

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