ザ・パリ・オブ・タレント 2016
HAPPENINGText: Stephanie Bui
世界を代表するデザイナーたちの出身地であり、その洗練されたスタイルで知られるパリは、新興ファッションとデザインが栄える拠点となっている。展示会「ル・パリ・デ・タラン(ザ・パリ・オブ・タレント)」では、フランスの職人たちの素晴らしい伝統復活への敬意のもと、新進気鋭の若手からベテランまでのパリを拠点とするあらゆる才能が、パリ発のファッション、デザイン業界で生まれたアートを讃えるべく再集結した。
“Le Paris des Talents” Exhibition © Florent Mulot
ファッション、デザイン、職人技とその革新は、10年前にパリ市が設立し、ビジネスのサポートの役割も持つギャラリー「ル・パリ・デ・タラン」の展覧会の中心を担っている。毎年、新進気鋭のデザイナーの中で最も才能のあるデザイナーには賞も与えられる。
“Le Paris des Talents” Exhibition © Florent Mulot
前例のないこのイベントでは、インキュベーターが様々な作品の価値を認める機会を与え、過去10年間にその中からいくつもの作品が、パリ市からクリエイティブ大賞を与えられている。パリ市庁舎の有名なレセプションルームではパリの才能あふれる新進気鋭の作家たち、近年のデザインシーンで重要な役割を担うクリエイターたちが歓迎された。19世紀から20世紀の古い作品の一部を貸し出しているパリのアーカイブスのパートナーシップで発表された作品から、いくつか紹介する。
© Aurore Thibout / Tamiya Raden
木、絹、リネンからできた、この驚きのハンドメイドのコートは、革新的なデザイン、熟達し優れた工芸、詩的な要素、エコロジカルな文化的探求によって生まれる錬金術のような壮大さが滲み出る作品。オロール・ティブーは2015年、京都のヴィラ九条山滞在中に、京都の職人と共に作品をデザインした。日本の伝統芸術であるフラワーアレンジメント、つまり生け花の式典のために作られたこのユニークな木製の織物を使用したコートは、京都府京丹後市の織元「民谷螺鈿」の協力によって可能となった作品だ。
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