水尻自子
PEOPLEText: Satsuki Miyanishi
淡い色づかいで描かれた、とろけるような布団の感触となめらかな女性。この見ているだけで和むような、しかしシンプルなだけでなく巧妙に構成された癒し系作品が今年の第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で新人賞を受賞した短編アニメーション「布団」だ。作家は手描きやコマ撮りアニメーションを中心に、身体の一部をユニークな視点で捉えた独特のアニメーションを得意とする映像作家・水尻自子(みずしり よりこ)。インタビューを通して、いらないものを全て削ぎ落としたシンプルな線の中に込められた、彼女のアニメーションにおける新しい感覚への挑戦を探った。
Photo:後藤武浩
自己紹介をお願いします。
1984年生まれ。映像作家です。主にアニメーションで制作してます。
© SPACE SHOWER NETWORKS INC.
最近手掛けたプロジェクトなど、現在の活動内容を教えてください。これまでに手掛けた作品を幾つかご紹介ください。
最新作品は、短編アニメーション作品の「布団」です。その他の主な作品は「すし」(2011)、「えにょぐ」(2007)、「かっぽ」(2006)、「尻プレイ」(2005)などで、MV制作や映像監督、映像制作も行っています。
他には、イラスト・エッセイ連載「水尻自子のよりどりみどり」、コロカル「水尻自子の方言アニメ」もあります。
© Yoriko Mizushiri
体のパーツの一部が登場する作品が多いですが、インスピレーションは何から得ていますか?
元々は作画技術に自信がなかったので、関節を気にせず描けるよう身体のパーツをモチーフとして選んでいました。一度に沢山の箇所が動く身体全体を作画することが私には難しいことなので、パーツだとひとつひとつの動きに集中できます。パーツの中でも避けているのが顔もしくは目で、それは感情が直に出る部分を排除するためだと思います。「感情」というのものが、私の感触に重点をおくアニメーション作品にとってあまり必要ないものだからです。
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