堀尾寛太
PEOPLEText: Memi Mizukami
誰かとコラボレーションして作品を制作する際、役割分担はどのようにして行われるのでしょうか?今回を例に教えて頂けますか。またそのような方法をとっている理由をお聞かせください。
梅田くんとの作業では、自然に分担が発生する感じです。お互い、自分の作った物や持ってきた物は自分が担当になるし、自分に地理的に近い物も担当になる。コラボレーションについては自分でもまだよく分かっていなくて、全然合わない人とやる共同作業も何か意味があるのかもしれませんが、作業としては純粋につらいし、価値が見いだせない。今のところは、目的をかなり共有できる人とでないと難しいです。
磁力など現象への興味を持ち始めたのはいつ頃からでしょうか?
小さい頃からではないでしょうか。
物の動きは全て計算された動きを扱っているのですか?それとも偶然起った動きを使うこともあるのですか?
もちろん偶然起こった動きも使っています。というよりも物理的なものを使っている時点で全て計算は不可能だし、たとえばある偶然起こる動きを狙って計算したりとかいうこともあるし、というわけでその違いはあまり意識していません。
Photo: 羽田野美穂
大学時代は音響設計系専攻ということですが、どのような作品を作っていたのですか?
元々はコンピューター音楽のインターフェイスの研究をしていました。これはモデル化すると、鍵盤などの入力装置と、音源、あとスピーカーなどの発音体の組み合わせということになるのですが、この組み合わせの指針として典型的なのは、人(演奏者)のジェスチャーを元に豊かな音楽表現力を、というものなのだけど、これを前提としてしまうと、どうにも古典的なものしかでてこなくておもしろくない。そこで入力は勝手に発生する物理現象とか、音源と発音体の一致とか、いろんなことを試すうちに今のような作品になっていきました。
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