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アリエル・ピンクス・ホーンテッド・グラフィティ

PEOPLEText: Victor Moreno, Sara Överengen

ロサンゼルスを拠点にされているようですが、ここ最近はどこに住まわれているんですか?

ホーンテッド・グラフィティのメンバーの数人は近所に住んでいます。私はほとんどの時間をツアーに出ているのですが、ロサンゼルスに住んでいると思ってもらっていいと思います。でもロサンゼルスにいる時はいつもリハーサルなんですけどね。

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アニマル・コレクティブ主宰のレーベル、ポー・トラックからリリースされましたね。当時と4ADにいる現在との違いを聞かせてください。4ADとの契約は自身にとってブレイクスルーになったと思いますか?

今も当時も何も変わりません。デモ音楽づくりを全て自分でしていた以前は、これがデビューアルバムの様な気がしていました。8トラックで録音していた以前は、もちろん色々な点で限界がありましたが、今では専門的な機材を使って録音できます。それまでは基本的に全てを自分一人でやっていたのが、今では演奏したりレコーディングをしてくれるミュージシャンがいて、全ての事がプロフェッショナルにできるようになりました。

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それはリスナーにとってとても大きな違いになりますね。

前にも話した通り、今ではバンドがいます。以前は演奏もレコーディングも全て8トラックを使って自分だけでやっていました。今はもちろんバンドやプロデューサーがそれらの事をしてくれます。そしてもちろん時間はかかります。最新のレコーディングを終えるまでには時間が流れました。そしてもちろん物事も変わったんです。

あなたの音楽の強みのひとつは“時が絶っても色褪せないこと”だと思います。

ありがとう!(ビールを開けながら)私は改良と録音を重ねながら、一つ一つ曲のかたちにしていきます。一部分を録音したら、巻き戻し、そして次の部分へのアイディアを得る。それは算数みたいなもので、1+1をしながら曲を組み立てていくんです。アイディアを出しながら、そして時々間違えながら曲をつくっています。そのアイディアが頭に残っていればそれは使えるやつ、でも忘れてしまったら使えないやつという事です。だから忘れるという事も悪くはないんです。基本的にアイディアや間違い(それは時々意図的な間違いだったりもするんですが)を組み合わせていき、そして即興で流れをつくります。流れは大切です。もしうまくいかないのなら。 

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それが曲作りの全部ですか?

はい、私は曲作りを一人で行います。歌詞や構成は自分一人でやって、それからバンドと一緒にアレンジを加えていきます。時々カバーもやったりします。自分のレコードのためにロン・キャンピシーのブライト・リット・ブルー・スカイをカバーしましたね。私はいつでもものすごく沢山のアイディアがありますが、覚えているやつだけがいいアイディアなんですよ。

今ちょっと思い出せないんですけど、突然ひらめいたアイディアを忘れないために、自分の留守電にそのアイディアを録音するアーティストがいました。

ええ、実は私も時々やります、でもそれと同じくらい留守電にかける事を忘れてしまうんですけどね(笑)。

Text: Victor Moreno, Sara Överengen
Translation: Yumiko Isa
Photos: Victor Moreno

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