高橋理子
デザインのモチーフとして円と直線を多用されていますね。
限られた要素の中でどこまで面白いことができるかという、ひとつの挑戦です。直線は着物の仕立てが縦方向で区切られてるので、色分けを反物の幅毎にすれば必然的に縦のラインがでてきます。円はどこにでも存在するものですし、季節性も時代性もない。男女の区別もないし、国の文化も関係ない、すごく中立なモチーフだからです。
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デザインされるときに意識されていることはありますか?
例えば、着物をデザインするというのが表面的な柄だけであるならば、私はそういうつもりで着物をつくっていません。着物を使って何を伝えていくか。着物の表面的ではない裏側の部分に何があるか。そういうことを理解してもらうために、着物を使って活動しています。
着物が完成するまでに、染め、その下処理、後処理、白い反物を織る人、道具をつくる人、そして絹という原料を作る人。とにかくものすごく沢山の職人さんが関わっています。なかなかそういう存在がいることも皆さんには知られていないと思うので、伝統技法についても紹介できればと思っています。
また、日本の和物と言われてるものに対する固定観念みたいなものを変えていきたいし、崩していきたいとも思っています。私の生み出すものは“和風”ではなく、今の時代の“和”と認識してもらえたら嬉しいです。
ROCKETでの展示風景,Photo: Shiori Kawamoto
現在進行中のプロジェクトについて教えてください。
ジャパンブランドというプロジェクトで、岐阜の美濃の和紙メーカー6社共同で、インテリアから雑貨までの世界的なトレードショーである「メゾン・エ・オブジェ」というパリの大きな展示会に参加するのですが、私はその全体のデザイン及び、アートディレクションを担当します。美濃の和紙を世界に広げていくための3年計画のプロジェクトで、まずは来年2月の展示会に向けて進行中です。
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Text: mina
