オーストリアン・ファッション・フォトグラファー
PEOPLEText: Daniel Kalt
もしクリアなフォーム、形、および色に興味を持っているなら、マーチン・ストービッチが適任かもしれない。彼はファッションデザイナーのアンナ・アイヒンガーの散らかった机の写真を撮ったり、(どうやら最後の一息を吐き出そうとしている観葉植物のフィロデンドロンの)鉢植えの前にある実際には古過ぎる1組のコンバーススニーカーを演出するのを気にしないだけではないだろう。
かなりの数の国際的な仕事により、マーチンは、ブエノスアイレスやベイルートで出くわすチャンスのあるハードな旅行写真家の一人である。心して聞いてほしい。ニューヨークのメトロポリタン・オペラは彼のクライアントのひとつであり、スポーツウェアのプーマも同様だ。マーチンはオーストリアのシーンで活躍する多くの若手の才能ある人たちと馴染み深く、既にヴィルフリード・メイヤーやウテ・プロイアーのような活躍の目覚ましいデザイナーとコラボレーションしている。
© Mark Glassner for Ute Ploier
写真家のマーク・グラスナーについて最も興味深いことは、少なくともそれは、マークが重要なある編集の賞を受賞した後に、オーストリアのデイリー・ニュースペーパー「Der Standard」のファッション・エディターが、発行されたポートレートについて述べたことであり、彼が数年間積み上げてきた多くのプロの一面である。彼の仕事はファッション・フォトグラフィー、ビデオアートの他、驚いたことに医学研究にまで及ぶ。この広い関心分野のためか、彼のファッション写真の中で繰り返し出現するモチーフは、重力の法則を覆すものであり、同様に衝撃的な建築構造をゆるく組み込んだものだ。なので、マークの作品では、モデルが横たわっているのか、何かにもたれているのか、または垂直に立っているかをすぐに言うことができないだろう。彼の素晴らしい作品の一例に、彼がメンズウエアデザイナー、ウテ・プロイアーの2010年スプリングコレクションのルックブックがある
Text: Daniel Kalt
Translation: Yuya Masumoto