「ヴァーナー・パントン・コレクテッド・ワークス」
スカンジナビアの家具デザインといえば、おそらく手作りであったり、おしゃれで、現代的で、無駄が無いといった印象を抱くだろう。では60年代から作品を発表してきたヴァーナー・パントンはどうだろう。例えば彼の「パントンチェア」は今なお多くのラウンジやカフェ、一般家庭で使用されている。こういった作品はまさにパントンの20世紀後半の家具デザイン界に対する挑戦と貢献が生み出した高い適合性と時代を越えて愛される不朽性を表している。
本展「ヴァーナー・パントン・コレクテッド・ワークス 」ではパントンの半世紀に渡る活躍を100を越えるチェアとともに紹介。ショウケースには、パントンの初期の家具作品である「バチェラーチェア」も展示。アイディアを何度も再構築して開かれたこの展覧会では、彼の機能主義や可動性、システムファニチャーの追求について大きく取り上げている。
チェアの他に、照明やランプ、布や一部のスケッチなども展示されており、パントンの色や空間、形へのこだわりを実際の作品を通して伝えている。おもしろいことに、彼のランプや布、チェアを内装に使用している60年代のレストランの写真は、今日のシックなレストランと間違えてしまいそうなほど違和感がないのだ。
「座ることも、遊んでいるときのように楽しく、わくわくするような体験でなければならない。」ーヴァーナー・パントン
パントン本人が制作した限定チェアの貴重なコレクションは一般公開されていないが、「ファンタジー・ランドスケープ」ではパントンの素晴らしい色と形の世界を直に感じることができる。実際に作品内を歩き回ったり、布に触ったり、ソファに座ることもできる。ぜひパントンの世界を体験してほしい。
Verner Panton – The collected works
会期:2009年5月15日(金)〜7月12日(日)
会場:シンガポール国立博物館
住所:93 Stamford Road, Singapore 178897
TEL:+65 6332 3659
https://www.nationalmuseum.sg
Text: Fann ZJ
Translation: Ayano Yamada
Photos: Courtesy of National Museum of Singapore