ライジング・サン 2008
HAPPENINGText: Kazumi Oiwa
通称「エゾロック」と呼ばれる、北海道発の野外ロックフェスティバル「ライジング・サン・ロック・フェスティバル(以下、RSR)」が今年で10年目という大きな節目を迎えた。約100組以上のアーティストを迎え、昨年は7万人を動員した北海道最大のロックフェスティバル。2008年8月15日〜16日の2日間、計7ステージで行われたRSRは『とにかく楽しむしかない!』と言わんばかりに人々が騒ぎ、自由に楽しむ。
何もない石狩の広大な大地に現れた、2日間だけの夢の街は、残念ながら小雨が降る中でのスタートとなった。
最初はやはり大きなステージで、大きな音で気分を高めようと私達が向かったのは、入場ゲートの正面に位置するメインの「サンステージ」。今年の夏も各フェスティバルへ多数出演「京都音楽博覧会 IN 梅小路公園 2008」の開催を控えている「くるり」のライヴが15時にスタート。関西ならではの面白いMCと全9曲を披露してくれた。そして、8曲目「ばらの花」の前奏が聞こえた瞬間、静かに降る雨と前奏のギターの音がシンクロし、とても心地良く、自然と身体が揺れていた。
サンステージの左奥に行くと見えてくる「レッドスターフィールド」をさらに奥に進んでいくと、クラブのような照明、デコレーション、ステージセットを備える「ムーンサーカス」にたどり着く。このステージで待つのは「Shingo02」。最近、色々なクラブサイトで彼の名前を見かけ、ヒップホップMCとして、独特なリリックと変幻自在なスタイルが若者の支持を得ている。確かに一括りにするとジャンルはヒップホップ。しかし多彩な音が含まれており、非常にドラマチックなサウンドと、彼から湧き出るリリックが今まで聞いていたヒップホップとは違い、新たなスタイルを見ることができた。
天候は尚も小雨が降り続き、この時点で私のメモノートは雨と湿気でグチャグチャ。着ていたレインコートも脱ぎたいほど湿気が多い中、浴衣を着ての登場は「東京事変」。意外とライジング初参戦の期待の1曲目は「丸の内サディスティック」からスタート。彼ららしいアレンジが加えられ、成熟された音楽が、ライトが映えるサンステージで披露される。
これまた空気は一転。ここはどこのクラブ?と問いたくなるようなテクノサウンドが響く。音の波に自然と体が動き、全体が波打つ中「電気グルーヴ」の登場。
終止、笑いと体の揺れが止まらないライヴだった。「サンステージ」のスクリーンは電気グルーヴ仕様の映像が流れ、それがまたかっこいい。途中、ピエール瀧がライトのついた衣装を着てステージに出てくると、ダンスを披露。それとともにかかる音楽が「かっこいいジャンパー」なのだから笑うしかない。個人的に「N.O.」と「Flashback Disco」が聞けて満足!
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