ヨーゼフ・ボイス 没後20周年記念回顧展
HAPPENINGText: Yoshito Maeoka
まず、各地で行われた際に印刷された大量のポスターを一度に見る事ができた。こうしてこれらのポスター群を見ると、前述したように自身のビジュアル的なアプローチへのこだわりが手に取るように分かる。全てが洗練されており、古くささを感じさせない、かつ的確なメッセージだった。
そして、代表的な映像ドキュメントが上映されている事。もはや伝説となっている1974年のニューヨークのギャラリーで行われたパフォーマンス「私はアメリカが好き、アメリカは私が好き」をはじめ、他数本が常に壁に投影され視聴が可能となっていた。
さらにもうひとつ、同美術館と遺族の協力の下設立されていたヨーゼフ・ボイス・メディアアーカイヴから、これらの映像群や音声資料がCD、DVDコレクションとして今までの5タイトルに加えて、さらに5タイトルが予定されている。これらの中で未出版の映像も逐次上映されている。
参考までにヨーゼフ・ボイス・メディアアーカイヴから出版(予定)のタイトルと注釈を以下に掲載しておく。(注釈の無い項目は既に出版済み)
1. 「コヨーテ III」 (1984) 本+DVD
ナムジュン・パイクとボイスが東京草月会館で行ったコンサート。(新版を2006年秋予定)
2. 「ヤーヤーヤーヤーヤー、ネーネーネーネーネー」 (1968) CD
デュッセルドルフ国立アカデミーで上演された実験音楽パフォーマンス。
3. 「挑発 社会の布 芸術と反芸術」 (1970) 本+DVD
討論シリーズ「意見に対する意見」にて収録された彼の芸術見解を説いたパフォーマンス。
4. 「トランスシベリッシェ・バーン」 (1970) 本+DVD
ユーラシアをまたぐ存在を象徴するシベリアについて、屋外での対話を収録した作品。
5. 「ユーラシアの杖」 (1970) 本+DVD
1968年アントワープで行われたアクション「ユーラシアの杖」を収録。
6. 「アトランティス」 (1964, 1965) 本+DVD
60年代のフルクサスの活動中に現れる、アトランティスという概念を中心に収録。(2006年夏予定)
7. 「如何にして人は死んだウサギに絵画を説明するか」 (1965) 本+DVD
1965年デュッセルドルフで上演された同タイトルのパフォーマンスを収録。(2007年新春予定)
8. 「ハンドアクション、ドラマ・ティッシュ」 (1968) 本+DVD
1968年に行われたボイスの「ハンドアクション」と平行して行われた彼の弟子アナトール・ヘルツフェルドのパフォーマンス「ドラマ・ティッシュ」を収録。(2007年秋予定)
9. 「ボイス・イン・アメリカ」 (1974) 本+DVD
1974年のアメリカ滞在時のインタビュー、講演を収録。(2008年秋予定)
10. 「ケルト族 + ~ ~ ~ ~」 (1971) 本+DVD
幾度となく上演されたアクション「ケルト族」のバーゼルでの公演を収録。(2009年秋予定)
Joseph Beuys, Lebenslauf = Werklauf
Hommage an Joseph Beuys Anlaesslich des 20. Todestages
A Tribute to Joseph Beuys on the 20th Anniversary of his Death
会期:2006年1月21日(土)〜4月23日(日)
会場:Hamburger Bahnhof
住所:50-51 Invalidenstrasse, 10557 Berlin
TEL:+49 (0)30 26642 4242
https://www.hamburgerbahnhof.de
Text: Yoshito Maeoka
Photos: Yoshito Maeoka