HORT(ホート)
PEOPLEText: Yurie Hatano
音楽業界の仕事とフォックス・ホテルなど、その他の仕事に違いはありますか?
違いはそんなにありません。違うのは、ターゲットが誰であるかということと、どんなメディアを使うかということでしょう。例えば、レコードジャケットのためのデザインが他のプロジェクトのために使われることもあり得ますし、逆に他のプロジェクトのためのデザインがレコードジャケットに使われることもあります。どちらにも、同じデザインのアプローチをしているということです。
新しい作品集「ホート」がディ・ゲシュタルテンからリリースとなりますが、どのような内容でしょうか?
今まで手がけてきたレコードジャケットの傑作を、その背景にあるアイディアや、今後の発展などを含めて紹介したいと思いました。まずこの本を開くと、それぞれ全てのプロジェクトの最初にダブルページで、制作したアイテムの写真が載せてあります。このページを僕たちは “分割ページ” と呼んでいるのですが、そのあとに3つのダブルページが続いていて、そこでオリジナルのレコードジャケットの背後にあるビジュアル・アイディアを、改良したり進化させたりしています。この本を買うことになる人は、必ずお気に入りが見つかると思います。
現在のドイツのデザイン事情をどう思いますか?
僕たちが正しいかはわかりませんが、今ドイツであまり面白いことは起こっていないようです。ドイツ人はプロフェッショナルであることを意識し過ぎだと思います。もっと、勝手の悪いアイディアでもどんどん出して討論し合うべきではないでしょうか。自分がつまらなくなったり、誰かを飽きさせるということほど残念なことはありません。
今回のカバーデザインのコンセプトを教えてください。
僕たちはそこまでプログラミングに精通していないので、なにか小さくて可愛い、プログラミングを必要としないもの、それでいて見て楽しめるものをつくろうと心がけました。すると偶然にも、メモリーに格好のデザインが入っていたのです。最初は、僕たちの本のカバーになる予定のものでした。実はそれを使い、SHIFTカバー用に改善しました。とても気に入っています。
今後チャレンジしていきたいことは何ですか?
本が出版されたら、晴れたビーチでお昼寝したくてたまりません。晴れたビーチで良いお昼寝を!
HORT
住所:29 Egenolffstrasse, 60316 Frankfurt, Germany
TEL:+49 69 9441 9820
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Text: Yurie Hatano
