「マドリードの新しい地図」展
PLACEText: Terevision Ruiz
ラヴァピエスは、マドリッドで最も民族の入り交じってる地域の一つだ。街の中心部から、地下鉄で一つ目、プエルタ・デル・ソル駅。その地域のストリートと家々は、ここ2〜3年前にマドリッドに移り住んだような移民が、大半を占めている。この新しい住民達は、この辺りに集中しており、特に若者は、安い家賃の家を求めてやってくる。しかし、移民人口が多いのは、ここラヴァピエスに限らず、マドリッドの至る所で起きている現象というのは、よく知られている。
そんなマドリッドに生まれた様々なカルチャーを反映し、必然的にこのグループ展は誕生した。この展覧会は、カーサ・アメリカとカーサ・エンセンディダという、ラヴァピエスの外れに位置する2箇所の会場で開かれた。後者の会場では、主に社会、人種差別廃止、環境保護に関する作品が発表された。
Carmela Garcia
様々な分野から、13人のアーティストが集まったこの展覧会は、グループ展であると同時に、民俗学者や社会学者が関わる、学問的なアプローチも試みられた。カルメラ・ガルシア、エル・パロ、チュス・グティエレーズ、マルティン・サストレ、マリナ・ヌエズ、クレメンテ・ベルナルド、ラ・フィアムブレラなどの、アバンギャルドなアーティストは、主にビデオや写真で、移民とそれがもたらす影響をリサーチした。それらは、街中のエクアドル人、モロッコ人、中国人、ポーランド人などを映し出していた。
El Perro
カーサ・アメリカで、作品を発表したアーティストは、アメリカ人に焦点を当て、一方でカーサ・エンセンディダでは、アジア系だった。この展覧会は、私たちに、ストリートですれ違う人々との距離を縮め、無知であるがために持っていた恐怖感のようなものを軽減してくれる。
New Cartgraphies Of Madrid
会期:2003年10月17日〜2004年1月5日
会場:カーサ・アメリカ(2 Paseo de Recoletos)カーサ・エンセンディダ(2 Ronda de Valencia)
https://www.casadeamerica.com
Text: Terevision Ruiz
Translation: Naoko Fukushi