フローリアン・シューミット

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

最近のウェブについて、Hi-ReS!ではどのように理解していますか?またこれからウェブは、どのように変化していくと思いますか?

以前はそれがウェブの全てだと思っていたけど、今では何の変哲もないものになったしまったものには、かつてそれらが持っていたような強いパワーはすでに存在しないと思っています。こう思うのはおそらく、私が色々なものを見過ぎてしまったからでしょう。私達の周りにものが溢れ過ぎているのも原因かもしれないし、その物事が余りにも似偏り過ぎているからかも知れませんね。なぜかはよくわかりませんが、そんな気がします。ウェブは何を表現するものなのか、そしてウェブの長所とは何なのかを、もう一度考え直す時期なのでしょう。私達の周りには、本当に膨大な数の作品があります。そしてその作品は、プリントのものから、ウェブに置き換えられたものばかり。中にはかなり優秀な作品もありますが、今は、インタラクションを次のレベルに持ち上げる時だと思いますよ。

気をつけてほしいのは、これはまた新たなフラッシュの実験を行う、ということではないということ。人とコミュニケーションというアイディア、そしてストーリーの狭間にあるコミュニケーションについて集中すべきなんじゃないかな、ということです。例えばウェブカムやライブチャットなどは、今でもオンラインだからこその素晴らしい点ですよね。これらがあるお陰で、時間を短縮できるし、相手との距離もゼロにできるんですから。

これからウェブだけではなくデザインを始めようとしている人、またすでに始めている人に対して、何かデザインのアドバイスをするとしたら、何があげられるでしょうか?

自分が信じていることをやってみること。自分の心の声に耳を傾けてみること。そして、どこにいてもインスピレーションとなるものを探してみることです。

今回制作していただいた、カバーデザインについて教えてください。何をイメージして制作されましたか?

ウェブとは完全に懸け離れたものになっています。イラストやフラッシュの作品を作るというよりも、何かから抜け出して違うことをやってみたいという想いがあったのです。金色のビニール袋を利用して「SHIFT」という文字をつくりました。そして、その文字の外側に短い文章を、近所で撮影した映像であしらってみました。

春からの予定、またこれからHi-ReS!として展開して行きたいことなどはありますか?

ここ3年程忙しい日々が続いているので、今年もそうなるだろうなと思っています。今は、アメリカのテレビ局「HBO」の作品、レクサス・モーター・USの新作を制作しているほか、ウェブのバックグランドがまったくないプロジェクトをいくつか抱えています。もう一度、プロジェクトを多様化してみたいな、という気がします。今年新たに始めるプロジェクトで、服やアクセサリーを作る、というのがあります(Hi-BoY!とHi-GiRL!といいます)。何か商品も作る計画もありますよ。

最後に、読者にむけてメッセージをお願いします。

ピース!

Hi-ReS!
住所:47 Great Eastern Street, London EC2A 3HP
TEL:+44 (0)20 7684 3100
https://www.hi-res.net

Text: Sachiko Kurashina

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