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スリーズ・ネーション

PEOPLEText: Nicolas Roope

何世紀も続いた宗教戦争について歴史の本を学校で読んだけど、こんな痛手を負ってまでいったい誰が何を得たかったのか、僕には全然理解できなかった。最後の大きな戦争が終わってからもずっと、僕らはアレルギーとニキビにばっかり悩まされてきたし、気違いじみた殺りくや、戦場の恐ろしい塹壕で冷えきってしまう事を考えてきたわけじゃない。

退屈だった時間は、先月の「スリーズ・ネーション」を手にとったところでいったん終了した。僕はバスにのってそれを読んでいたんだけれど、だんだんこれはスゴイんじゃないか?これは認めるべきだという考えが渦巻きはじめた…。デザインもいいし、インテリジェントだし、それにこいつはタバコを懐かしがる変人について語っているみたいだぜ、って。僕が読んでいたものはデザインがいいというだけじゃなく、独創的で笑える文章、ヒップで筋の通った、バカらしくない雑誌だったんだ。

何かを面白いと思った時、それが生まれたルーツを知りたくなるし、どうにかしてそのものの本質を知りたくなるものだ。僕は編集部に電話し、彼等に会いに行くことにした。

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ロンドンのスタイル系の雑誌社は、物事がかつてはリアルだったクラーケンウェルやオールド・ストリートにある。「スリーズ・ネーション」の編集部はキングクロスの暗い工業地の中心、「プライム・サスペクト1」の殺人シーンに使われた居心地の悪い場所にあった。
僕は雑誌「スリーズ・ネーション」とアートディレクションをしている「ゲリラ6」へ行った。そこには「スリーズ・ネーション」のスティーブ・ビールと、「ゲリラ6」のトリスタン・デラウエイとジャスティン・クレイトンがいた。
僕は彼等のプロジェクトについてと、何がこんなにカッコ良くさせているのかを解読するべく、幾つかの質問をした。

まず、「スリーズ・ネーション」をどう考えているのか聞きたいんだけれど?

スティーブ:もともとファンジン(フリーペーパー)だったんだ。ファンジンの影響はそのまま継いでいるよ。

トリスタン:スタイル誌みたいな音楽誌といったもの。ハードのプロダクトとしてはとてもシリアスなものだけれど、シリアスとかクレバーというよりは、正直である、しゃれているという感じだね。
(これを理解するためには、悪魔的にデザインされた多くの音楽雑誌について知る必要がある。表紙にはプリティーな女の子が登場していて、中はどのページも汗ばんだプリティーな女の子たち。彼女たちの写真はCDのジャケ写やDJの写真なんかと合成されている。彼らはクラビングの諸悪の根源であるクラブUKと組んで女のコたちの汗をひかせ、しこたま儲けている。)

スティーブ:多くのスタイル雑誌は、『これが最新の〜、新しいあれが〜』とわめき散らしているだけだろうし、まともな人間はさほど面白さを感じていない。僕はこのテのことには限界があると思うんだ。「スリーズ・ネーション」がユニークなのは、読者がメディアであるという事を認めているからなんだ。一般的な内容に多くのユースカルチャー/ミュージックパブリッシングを落とし込んで行っている。読み手はそんなバカではいられないし、既に今ある雑誌なんてみんなくだらないと思っているからね。

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