リー・キット個展「ノット・アンタイトル」

NEWS2017.5.7Text: Ayumi Yakura

2013年にヴェネツィア・ビエンナーレの香港代表に選ばれ、香港館の室内と中庭を縦横に駆使した自在なインスタレーションが鮮烈な印象を与えた、香港出身・台湾在住のアーティスト、リー・キットの個展「Not untitled」（無題ではない）が、東京のギャラリー「シュウゴアーツ」にて4月15日から5月20日まで開催されている。

ペインティングやドローイング、プロジェクターやビデオ、家具・什器・日用品などを巧みに用いたリー・キットのインスタレーションからは、「絵画」という表現を先鋭的に拡張していこうとする意志を汲み取ることができる。例えば初期に、布地に描いた絵画を、カーテンやテーブルクロス、枕カバーなど日々の暮らしに関わるアイテムとして使用した作品は、西洋的なコンテキストから逸脱した存在感を示した。

本展では、ギャラリー空間をいくつもの壁によって寸断して迷路化。断片化された空間はプロジェクター絵画によって網をかけられ、縫合され、さらには来場者の影も作品の一部として取り込みながら、ギャラリー空間そのものがリー・キットのキャンバスと化している。

リー・キット個展「Not untitled」
会期：2017年4月15日（土）〜5月20日（土）
時間：11:00〜19:00
休廊：日・月・祝日
会場：シュウゴアーツ
住所：東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
TEL：03-6447-2234
https://shugoarts.com

Text: Ayumi Yakura

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