茨城県北芸術祭 2016

HAPPENINGText: Tomohiro Okada

大地震、そして世界に向けて「FUKUSHIMA」という地域の名とともに記憶され続けるその後の災厄。そのすぐ隣にある茨城県北部。
語りたくても語りたくない記憶と現実に立ち向かう「芸術祭」。

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ダニエル・ビュレン「回廊の中で:この場所のための4つの虹 ー KENPOKU ART 2016のために」, 2016年 © DB-ADAGP Paris

空気を察して盛り上げようというのもあるだろう。日常の里山や海辺の中にある作品たちが醸し出す美や素朴な驚きによる非日常によって、非常であった日々を打ち消す力を与えてくれているようだった。会場では、地域に生まれた大きな楽しみとして、何度も作品を廻る数多くの地元の人々に出会えた。とはいえ、語りたくなくとも、つい、科学を語る饒舌さが、ふと、ひっかかる気持ちを与えながらも。

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イリヤ&エミリア・カバコフ「落ちてきた空」1995/2016年

最後に絶景を。巨大な月が照らし出される稀な夜、空を愛でる人の建物が台風で吹き飛んで海岸に落ちてきたという、イリヤ&エミリア・カバコフの絵画「落ちてきた空」が置かれる海岸に行ってみた。
その漠とした中に空の切片が刺さったかのような様は、その破天荒なストーリーとともに、異界の景色に浸らせてくれた。

KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭
テーマ:海か、山か、芸術か?
総合ディレクター:南條 史生
会期:2016年9月17日(土)~11月20日(日)[65日間]
開催市町:茨城県北地域6市町
日立市、高萩市、北茨城市、常陸太田市、常陸大宮市、大子町
主催:茨城県北芸術祭実行委員会(会長 橋本 昌 茨城県知事)
https://kenpoku-art.jp

Text: Tomohiro Okada
Photos: Tomohiro Okada

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