アムステルダム・ダンス・イベント 2016

HAPPENINGText: Kumi Nagano, So Oishi(SOAK Studio)

オランダ・アムステルダムにて、10月19日から5日間にわたって「アムステルダム・ダンス・イベント」(ADE)が開催された。2200人を超えるアーティストが参加し、140以上の会場で1000ものイベントが開催されるという世界最大のダンスミュージックの祭典だ。ADEの期間中は、パーティや音楽関係者を対象にしたカンファレンスが開かれるだけでなく、市内の複数の会場でサウンドアートの作品が展示されていた。この記事では、ADEで展示されていたインスタレーションの作品を中心に取り上げ、ヨーロッパの音楽イベントにおいてアートが果たしている役割などを紹介したい。

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Polaris: official opening ceremony ADE 2016 Photo by Olivier van Breugel

オープニングセレモニーとして、アムステルダム市立美術館の広場にて光と音のインスタレーションが行われた。「人の感情は、音楽によってどのように左右されるのか」というテーマで、ニック・ベルスタンド、ファティマ・ヤマハニッキ・ホックチルドレン・オブ・ザ・ライトなどが参加する共同プロジェクト「ポラリス」が手がけた。

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Polaris: official opening ceremony ADE 2016 Photo by Olivier van Breugel

脳波を測るヘッドギアを纏った20人の被験者のデータが、円形に組まれたLEDパネルに送られる仕組みだ。途中からファティマ・ヤマハによるエレクトロニカのライブが始まったので、スモークが焚かれた円の中に入ってみた。赤の他人同士がもやの中に肩を寄せ合い、音に反応して点滅し色を変える光を眺め、音に身を任せていた。不思議な高揚感と一体感は、いいダンスフロアで感じるものと同じだった。感情がデータ化され、それが形となってまた多くの人の感情を動かしているのを体感した。



「Neo」Lola Gielen

また、事前に公募から選ばれた12組のアーティストが、オランダ・クリエイティブ産業振興機構からおよそ7500ユーロのサポートを得て、プロジェクトを完成させ作品を展示していた。昼間のメイン会場の一つカンパニー劇場では、ローラ・ギーレンの「Neo」という作品があった。音楽を愛する彼女は「過去に楽器をマスターしようとやってみたけどダメだった」とミュージシャンになる夢を半ばあきらめたが、楽器なら作れるかもと方向転換をした。「音楽やリズムの知識がなくても、才能や練習する時間がなくても、誰でも直感的に楽しめる楽器」というコンセプトで、特に触り心地にはこだわった。コントローラーはボタンというよりもクニュクニュしたシリコンの塊で、自由に押したり触ったりすることで反応する。円形のシークエンサーに銀の小さなボールを置くことで、いろんなエフェクトを楽しむこともできる。これ自体が電子楽器だが、デジタルで失われがちな「感触」を生かそうという試みが感じ取れた。

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