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ツァイトガイスド

PEOPLEText: Victor Moreno

ツァイトガイスト(独: Zeitgeist)は、社会における個人の信念や考え方を包括した時代精神。新しい時代のデジタル・コミュニケーションが引き金となり、21世紀初期に解き放たれた文化交流だ。世界中で、フィルムメイカーとデジタルアーティストが現代アートギャラリーで作品を展示し、伝説を次なる世代へと伝えた。

ベルリンを拠点にコンセプト・デザインとビジュアルアートを展開するスタジオ、ツァイトガイスド(Zeitguised)は、3次元の視覚現実を人工的に作り出す先駆けだ。アルゴリズムを創作のツールに、異なる現実世界を模索する独創的な方法を築き注目を浴びている。彼らの作品は物理的現象と有機生命体をあらゆる形態と様式で融合しており、彼らはそれを「シンセティック(生成)・アート」と呼ぶ。

今回、スタジオの創設者、ヘンリク・モーラに彼らのめざましい進化について話しを聞くことができた。

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あなたのスタジオツァイトガイスドについて教えてください。いつスタートしたのですか??

私たちはアーティスト・デュオとして2001年に活動を始めました。何年もかけ、いくつもの変遷を経てスタジオになりました。現在は他のアーティストやデザイナーとネットワークを構築し、小さなグループながら、その規模は2倍以上のものになっています。

テクスチャーや形、光など、アルゴリズムを使って複雑に組み合わせた実験的なデジタル作品を制作していますね。そのプロセスについて簡単に教えていただけますか?

私たちは擬似3次元環境で全ての作業を行っています。ライト・シュミレーションのソフトウェアを使用し、2次元のスクリーンに投影される世界で、光の反射や、テクスチャーによって、まるでそこに個体が存在するかのような視覚的錯覚を起こさせます。かつてはとても煩雑な手作業が必要でしたが、現在では写実的な視覚現実を生成できるツールが主流になってきました。私たちは常にこうしたツールの進化を見てきましたが、ソフトウェアのマニュアル通りの使い方というよりも、ソフトウェアとコンピューターのアルゴリズムがデザインのプロセスにおいて創作に必要なツールなのです。私たちゴールはいつも、写実的な視覚現実世界を遊び心溢れる抽象芸術で打開することでした。

実際に何かを撮影しているのでしょうか?それとも特別な3Dソフトウェアを使用しているのですか?

シネマ4Dやフーディニ、その他にも興味を持った色々なソフトウェアで写真や映像をシュミレーションしています。導入したものにしろ、自作したものにしろ、いずれにせよ新しいソフトウェアは私たちのプロセスに欠かせません。大抵は、写真や映像撮影は行っていません。私たちの最近の作品は全て、人工的に生成されたものです。言うなれば、0%オーガニックです。

作品ではテクスチャーや形状、コントラストなど色々と実験していますね。別の言葉で言えば、さもすれば存在しえない幻想世界や生物に、あなたたちが息を吹き込んでいます。これを自身の言葉で言うとしたらどう表現しますか?

私たちの興味は物理的現象にとどまらず、全ての形、生物有機体の形状にまで広がっています。繰り返しになりますが、デジタル的な意味ではなく、むしろ、物理的な世界で見つけるだろう人々の感覚、複雑な人間と物事のコンセプトの可能性や関係性の創造です。デジタル作品は旧来の手法から解放され、新たな美学と目に見えない思考やコンセプトを視覚化するところまで高められ、物理的な模倣の域からも解放され、ついに満足いくレベルに到達します。

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「シンセティック・アート」をどのように定義しますか?

一部もしくは全ての点で、創作的で予測不可能な様式、または概念的結果の源として、機械、アルゴリズム、プロセスとコードを真に包括する一つのアートの形式です。

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