土木展

HAPPENINGText: Kengo Michizoe

みなさんは「土木」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

道路や鉄道などの交通網、携帯電話やインターネットなどの通信技術、上下水道、災害に対する備えなど、これらの「土木」が厳しくも豊かな自然と向き合いながら高度なネットワークを形成することで、 私たちの快適で良質な毎日は支えられている。しかし、私たちにとって土木が提供する日常の価値というものはあまりにも当たり前過ぎて、それらを意識・実感する機会は少ない。これらのことを改めて見つめ直し、再発見と実感を通して、より良い未来を考えるきっかけとなるよう、去る6月24日から9月25日まで、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで「土木展」が開催された。

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「土木展」展示風景 Photo: 木奥恵三

本展では展覧会ディレクターに、全国の駅舎や橋梁の設計、景観やまちづくりなどのデザインを手がけ、土木と建築分野に精通する西村浩氏を迎え、土木のエキスパートたちによる展覧会企画チームと、クリエイターとのコラボレーションによって本格的な作品が展示された。

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「渋谷駅解体」田中智之

展示の序盤「都市の風景」と名付けられたセクションでは、建築家 田中智之氏によるドローイング作品「渋谷駅解体」、「新宿駅解体」、「東京駅解体」が展示されていた。複雑にして巨大な東京の駅の姿が、細い線で事細かく描かれており、日常では気づくことのできない、駅の内部と外部の空間の関係が表されている。普段は一部しか見えていない東京の駅を都市の風景として俯瞰して見ることで、私たちの日常の移動を支えるインフラを意識させられる作品であった。

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「土木オーケストラ」ドローイングアンドマニュアル Photo: 木奥恵三

「土木オーケストラ」と名付けられたセクションでは、ドローイングアンドマニュアルによる、日本の高度経済成長期の土木の工事現場の映像と、現代の土木工事の音を組み合わせたシンフォニーを楽しむことができる。ちなみに演奏されているのはラヴェルのボレロで、この作品では 土木+ボレロで「DOBOLERO」と題されていた。
土や水の圧力と闘い、一つ一つの手順を慎重に積み重ね、完成まで何年もかけて粘り強く作り続ける。現在の日本の国土はそういった、たくさんの人たちの地道な働きによって作られてきたということを実感できる作品である。
スクリーンの後方には現場で使う道具やなどが展示されており、土木が作られていく現場を想像することができる。

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