シュゥン個展「アニマルズ」

HAPPENINGText: Mizuki Matsuda

2015年9月1日から、北海道を拠点として活動しているシュゥンクロスホテル札幌にて個展「アニマルズ」を開催している。クロスホテル札幌とクラークギャラリー+SHIFTのコラボレーションで展示を行う「まちなかアート・クロス・エディション」の第17弾だ。

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“mojamoja”, 1,300 x 1,620mm, 2015, Acrylics on Canvas

個展のタイトルである「ANIMALS」(アニマルズ)からも分かるように、彼の作品では何かの生き物たちに出会うことができるのだが、そこに現れるのはもじゃもじゃとした毛むくじゃらの生き物たち。「これは犬?それとも猛獣?」毛に絡まって溢れてくるようなカラフルな色と、その生き物が写す瞳の風景に想像を掻き立てられる。

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“miiko to chiiko”, 1,000 x 1,610mm, 2012, Acrylics on Canvas

ロビーに現れた「miiko to chiiko」(ミーコとチーコ)は毛を逆立てた白い生き物がこちらを強い視線で見ている。洞窟の中のような画面の中にははっきりとした色で雑多なものが描き込まれており、色のブロックや配線、硬質な物体、キャラクターのようなものを見ていると、私たちの生活の場面からこの白い生き物が埋もれることなく立ち上がり、今にも何かを話しかけてくるように感じる。

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“mojamoja”, 530 x 530mm, 2015, Acrylics on Canvas

ミートラウンジ入口の左側に掛けられた組作品「mojamoja」(もじゃもじゃ)は、その色遣いと毛並みに目を惹きつけられる。目を中心にして全面に描かれたもじゃもじゃなその毛は、よく見ると絡まることなく不思議な流れを作っている。線というよりも広がった毛が幾重にも重なり合っているようだ。明るい色と暗い色が反発せずに現れていて楽しい。目の中には何かの残像のような、形が判然としないものが描かれている。この生き物は何を見ているのだろうか。

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“mojamoja”, 50 x 50 x 28mm, 2015, Acrylics on Wood

さらにラウンジ右奥に配置されている小作品「mojamoja」は、小さな丸い木にアクリルで彩色されている。壁に点々と配置されているこの作品を見ていると、壁からこちら側に突き出す形になっていて、森の隙間から名も知らぬ個性豊かな生き物達がこちらを覗いているように感じる。真っ白いギャラリーとはひと味違ったホテルを舞台に、見つけて欲しそうな眼差しでそこかしこに潜むアニマルズを探してみるのも楽しいはず。

MACHINAKA ART-X_edition vol.17
SHUUN 個展「ANIMALS」

会期:2015年9月1日(火)〜11月28日(土)
会場:クロスホテル札幌 2階ロビー・ミートラウンジ
住所:札幌市中央区北2西2
ミートラウンジ営業時間:10:00~24:00(貸切の場合があります)
主催:クロスホテル札幌(企画部 011-272-0051)
キュレーション:クラークギャラリー+SHIFT
協力:まちなかアート
http://crossmet.jp/sapporo

Text: Mizuki Matsuda

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