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プリマベーラ・サウンド 2014

HAPPENINGText: Julio Cesar Palacio

今年のプリマベーラ・サウンドは、より大きくて、より強烈で、より良かったとしか言いようがない。ここ何年も、パルク・デル・フォーラムは音楽のパラレル・ワールドへと変貌を遂げている。毎年この会場でプリマベーラ・サウンドは開催されるが、最高のセンスと的確な判断により、変身した。今年のプリマベーラは、バルセロナ市内のバーやクラブ、公園などでの無料コンサートで始まる究極のプログラムにより、動員数記録をまたも更新。世界的に有名なアーティストと並んで、地元のミュージシャンにも輝く機会を与えたフェスだった。

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Julian Cope

まずは、アウディトリの会場で元ティアドロップ・エクスプローズのジュリアン・コープからスタート。大きなステージの真ん中でギターのみを携え、新しいアルバム「レボリューショナリー・スーサイド」の曲を演奏し、このカリスマ詩人は純粋かつ粋なパフォーマンスでパワーを炸裂させていた。

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Real State

初日の木曜日は、ハイネケンのステージでリアル・エステイトが新アルバム「アトラス」の曲を披露。早い開演時間にも関わらず既に観客がつめかけ、彼らの繊細なポップ・ロックを心待ちしていた。フレッシュなサウンドは、晴天のなか行われたプリマベーラ初日にうってつけであった。

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Sun Ra Arkestra

次は、今年のプリマベーラのラインナップでも一目置かれているサン・ラ・アーケストラがオーディトリアムに魔法をかけた。 90歳の伝説的なバンドリーダー、マーシャル・アレンは、きらびやかで、華やかで、奇抜でとにかく最高。観客と一緒に音楽を演奏し、ステージで踊りながら土星からのアヴァン・ジャズを披露した。アーケストラのライブは特別で、幻想的である。観客も踊りでバンドのパフォーマンスに応え、最後はスタンディング・オーベーションを贈った。このような優秀なミュージシャンたちが亡きサン・ラの記憶を留めている。

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SVPER

直後にピッチフォークのステージに向かったが、遅すぎた。フューチャー・アイランズのために集まった観客で既に満員になり、後ろのスタンドから見るしかできなかった。しかし、楽しみにしていたバイス・ステージのクロームのライブを待つにはちょうどよかった。しかも、地元の2人組スーパーの丁寧に作曲されたクラウト・ポップのライブの最後の何曲かを聞くことができた。

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Chrome

バイス・ステージは、ヘリオス・クリードとクロームにより盛り上がり、彼らのダークなプロトパンクサウンドは会場内に隔離された雰囲気を生み出し、陰の要素も混じった素晴らしいパフォーマンスだった。

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Chvrches

ローレン・メイベリー率いるバンド、チャーチズを一目見ようと混雑していて、ピッチフォークのステージに近寄るのは困難だった。同じ時間帯に別ステージに立っていたメジャーバンド、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジではなく、自分たちのステージに来てくれた観客に驚きながら感謝するチャーチズだったが、耳に残る彼らのシンセポップのファンばかりだった。

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Arcade Fire

そして、プリマベーラ初日という素晴らしい一日を締めくくったのは、ソニー・ステージでの大きなパーティー、アーケイド・ファイアのライブだ。このバンドはいろいろと変身し、もはやメジャーではあるが、夜中12時半にソニーのステージで行われるライブにはちょうどよい。様々な色やネオンなど、照明で遊ぶ導入とパーティーらしい要素を取り入れたライブで観客はアーケイド・ファイアの過去を思い出し、楽しんでいたようではあったが、新アルバム「リフレクター」に対しては少し冷たい反応を示した。全体として見れば、観客は楽しんでいるようであった。ライブとして重要なのはそれだけだ。

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