スウォッチ・アート・ピース・ホテル

PLACEText: Hiromi Nomoto

上海の一等地で行われているスウォッチ・アーティスト・イン・レジデンス。多くのレジデンスプロジェクトはあるが、これほどの豪華さを持ったものがかつてあっただろうか。

スウォッチ・アート・ピース・ホテル

プロジェクトの舞台となるスウォッチ・アート・ピース・ホテル(以後SAPH)は、上海で最も賑やかな南京東路と、最も豪華な場所ワイタン(外灘)に面している。租界時代の名残を残すクラシックな建物の中の一つで、赤レンガと白い壁でつくり出される模様が美しい。1850年に建てられたセントラルホテルがその後火事に遭い、パレスホテルとして1903年に再建され、1908年に現在の6階建て(欧米式に2階を1階とするため実質7階建て)の建物となった。

BROCHURE_SPECIAL_EVENTS_02.jpg

SAPHは2011年11月1日にオープンした。スイスの時計会社スウォッチグループのオメガやスウォッチのショップの他に、1階は作品を展示するスペース、5階にはレストラン「SHOOK!」や大人数でイベントや会議などを行える「ギャラリー」と呼ばれるホール、6階は景色の良いスウォッチ・アート・ピース・ホテル・テラスがある。客室は7室のみ、全室スイートルームだ。

ARTIST_WORKSHOPS_04.jpg

SAPHのアーティスト・イン・レジデンスは「アーティストを、中国で最もスピードの速い上海、その街の中心に連れて来ること」をコンセプトとしている。選考委員は、スウォッチグループのCEOや、PPR(ノー・プランタン・ルドゥート)のCEO、俳優のジョージ・クルーニーなど。彼らに選ばれたアーティストたち18名がSAPHに3ヶ月から6ヶ月間滞在し、作品を制作する。アーティストにはそれぞれ、スタジオと住居スペースが与えられる。制作費や生活費はアーティストが負担をし、最後に作品を一点残すというものだ。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE