アンケン・グリーン
PLACEText: Hiromi Nomoto
「アンケン・グリーン」はエコをコンセプトとしたウェアハウス・オフィススペース。ディレクターのアレクサンドラ・チュウは言う、『アンケン・グリーンのアンケンとは平和的な開拓・発展のこと、まさにそれは私たちが取り組んでいることなのです』。
上海市のやや北を流れる蘇州川付近、静かな住宅街に囲まれた場所に、白い壁に窓の黒い格子と黒い大きな扉の6階建てのオフィススペースがある。一階部分にはモダンなデザインの北欧家具が並べられている。カフェへの入り口もある。アンケン・グリーンは以前の建物を改装し、2003年オフィススペースとして始まった。総面積6700m2、屋上にはテラスがある。ここには様々な会社がオフィスを構え、屋上のスペースではビジネス研究討論会や映画上映会、ヨガ教室に使われている。
屋上のグリーン
アンケン・グリーンが実施するエコは様々。タンクに溜めた雨水を屋上の植物とトイレに利用する。各フロアーに独立した電気メーターを設置する。内装や床にリサイクルの木材を使用するなど12項目。その他に、廊下には堆肥を作る赤い大きなバケツが置いてあり、食べ残しや飲み残しのゴミを入れる。屋上には緑化の為の植物と、ナス・ピーマン・レタスなどの野菜が育てられている。肥料として使われるのがゴミから作られた堆肥だ。
アンケン・グリーンの創設者アレクサンドラ・チューにお話を伺った。
廊下に設置されたコンポスター
なぜエコをコンセプトとしたオフィススペースをつくろうとしたのですか?
私たちは環境保護に興味があります。この建物を通してメッセージを皆さんに伝えたいのです。多くの費用をかけることも、大きな会社や政府であることも、また100パーセントの完璧さを求める必要もありません。小さな事から環境保護はできるのです。身近なことから始める、それは誰にでもできることです。
建物の各フロアーに取り付けてある電気メーターは皆さんに節電を促します。ゴミから作られた堆肥で屋上の花や野菜を栽培します。それらは人々に環境保護への興味と意欲を持たせます。
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