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アート・ドバイ 2011

HAPPENINGText: Mamiko Kawakami

海外ギャラリーのリピート出展も多く見られた。カルファヤン・ギャラリーは、今年のアート・ドバイ唯一のギリシャからの参加で今年で5年目の出展となる。同ギャラリーはギリシャという東と西の架け橋的地理を活かし注目を浴びた。『その架け橋的存在がギリシャのアートシーンを特徴付けている』とギャラリーマネージャーのユリ・カラツィキは語る。『今年のアート・ドバイでは、様々なバックグラウンドを持つアーティストやいろんなメディアを使ったアートを紹介したかった』と。

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‘Untitled’, Antonis Donef, Ink On Paper Laid Down On Canvas, 2011. Courtesy of Kalfayan Galleries

なかでもアントニス・ドネフの作品。彼の微細なモザイク調の作品に、来場者達は作品に鼻が付く位まで引き寄せられていた。ギリシャやアラビア語、英語、ドイツ語、フランス語、中国語などあらゆる他言語の百科事典や本からの切抜きページを使って、“知識の再構成”をイメージした。彼のパッチワークは、現代社会に溢れる情報にはそのまた奥にストーリーがある事ほのめかしている。また、この作品は若いギリシャ人アーティストである彼自身の知識の記録でもあるとか。

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‘Untitled’ (detail), Antonis Donef, Ink On Paper Laid Down On Canvas, 2011. Courtesy of Kalfayan Galleries

パリから参加したギャラリーL.J.は、今年のアート・ドバイが初出展。ギャラリーディレクター、アデリン・ジュディは彼女自身の中東との深い関わりが同ギャラリーを出展に導いたと言う。『中東のアート市場の可能性には強い期待を持っている』と語る。

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‘Cairo Woman’, Swoon, Hand-painted blockprint on Mylar, 200 x 140 cm, 2010. Courtesy of Galerie L.J.

このギャラリーで、沢山の注目を集めたのはスウーン。これまでに出会った人達の実物大肖像画を版画と切り紙で作り上げるアメリカ人女性アーティストだ。

展示の「カイロ・ウーマン」は、彼女の新興国を巡る旅プロジェクトの一環としてエジプトの首都カイロを訪れた後で作られた。スウーンはこれまで約10年に渡り、ニューヨークのあちこちの通りに彼女の作品を残している。また、アメリカの数多くの美術館やロンドンのテート・モダンでも彼女の作品が展示されている。ストリートアートはまだほとんどないドバイだが、アート・ドバイでは人々の興味はあるという事がはっきりした。『ドバイでこんなに沢山の人達がスウーンについて知っていたなんて思わなかった。』とジュディは言う。

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