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リュウ・ウェイ個展「三部作」

HAPPENINGText: Emma Chi

絵画はこれから行き詰まっていくと思いますか?

そうなるとは思いません。絵画というのは私に言わせると恒久的なものです。絵を描くというのはとても難しい事です。最も早くに生まれた表現方法の一つであり、その基準というのも完成されています。もし少しでも良くない部分があれば、みなさんもそれをすぐに見抜いてしまうでしょう。だから最も難しい表現方法だと思います。しかし、やはり私は絵を描くのがとても好きです。

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「線 No. 1」,50 x 80 cm,キャンバス、油彩,2011

これからの中国アートの発展に対してどのような希望を持っていますか?また、どのような方向性が理想的だと思いますか?自分自身に対しては何か要求がありますか?

自分自身に対しては特に要求はありません。ただ、何と言うかこのアートシステムの共通言語の確立が必要だと思います。現在はそういったものが特に無く、みんなが言う事はどれも地に足が着いていません。文化の基礎となるものが無いのです。だから、言葉の基礎となるものや、言語環境を作り上げることが必要だと思います。例えば中国のアーティストが世界のアート界に入っていくと、その全体的システムの中でとても疲弊してしまいます。何故なら、一方では偽りなく自分を表現しようとしますが、私たちは中国で生活し、中国の物に囲まれていて、その現実をリアルに反映しようとする時、自分の真実の言葉で表現しても、世界の言語環境の中では成立しません。何故かと言うと、あなたが彼らの中に入っていく場合を除いて、その言語環境の中にはあなたの言葉の基礎となるものが無いからです。しかし、彼らの中に入っていくとそれは真実ではなくなってしまうとも思います。いわゆる国際化が進んだとして、それが国家や地域としてではなく、一つのグローバル的概念になってしまったら、それこそ何者でもないものになってしまいます。だから独特の言葉、言語環境が必要なのです。イタリアはその点では優れていると思います。イタリアのアーティストが作る作品は世界的なものが多く、イタリアの文化は全世界に影響を与えているからです。

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「瞑想 No.3」180 x 250 cm,キャンバス、油彩,2011

今回の展覧の中でどれが最近の代表作ですか?

一号展示室の作品です。今となってははっきり決められませんが、初めに私はこの展示室の環境を変えたいのと、展示室内の全てのものを利用したいと思っていました。何故なら、私に言わせると一つの作品を展示室にただ置いておくというのは面白くないと思っていたからです。私は全ての物事は環境に合わせて解決すべきだと思っています。だからここにある全ての要素を利用してその環境を変化させたいと思いました。また、あなたのところにあるそれらのものは作品ではありません。多分椅子や机です。しかし、周囲の環境を通して見ているから作品に見えるのです。周囲にある全てのものとそれに関係あるものをおろそかにしてはいけないのです。この世におろそかにしていいものなど無いのです。

リュウ・ウェイ個展「三部作」
会期:2011年3月20日(日)〜5月3日(火)
開館時間:10:00〜21:00(月曜日休館)
会場:民生現代美術館
住所:上海市淮海西路570号F座
TEL:+86 21 6282 8729
https://www.minshengart.com

Text: Emma Chi
Translation: Daiki Kojima

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