アントン・サンドクヴィスト
PEOPLEText: Victor Moreno
サーミ人は、北欧の北方先住民族ですが、実際のスウェーデンの社会では、どのように考えられていると思いますか?また、ブランドのデザインにどのような影響を与えていると思いますか?
サーミの伝統はとても魅力的です。彼らは、独立して自然と共に生活を営み、サーミナイフや伝統衣装など日常生活で使用するものは、その機能を備えた手作りでありながらも同時に芸術性が高いのです。まず明確な機能性を兼ね備えながら、それに加えてとても美しいものに仕上げるという考えに共感します。
サンドクヴィストには男性的な礎から成長してきた性格があります。婦人用ラインの開始時期や予定はありますか?
確かに私たちの鞄のほとんどが紳士用とみなされているのは事実で、それは自分で使いたい鞄を作り始めたことに由来しているのだと思います。ややシンプルな仕上がりとなっている婦人用鞄もいくつかあるのですが、紳士用と婦人用を区別するのは時として難しいですね。正直に言って、自分たちの製品を性別で分類するのは好まないし、誰でも気に入ったものを選んでもらえれば嬉しいです。
アントン・コービンとGSYター、ユルゲン・テラーとマークジェイコブスといった他のブランドでも見受けられるように、あなた方はいつもスウェーデンの写真家クノータンと一緒にキャンペーンを行っていますね。
クノータンとの付き合いは2005年の初期の撮影から始まりました。彼はどこにでもあるシンプルな美を見出す才に恵まれていて、モデルを最大限に生かす術を持ち合わせた一緒に仕事をするにはうってつけの人物です。写真家としてだけに留まらず、ホントに素晴らしいディレクターでもあり、彼の作り出すイメージは、ブランドにとってとても大切な役割を担っています。2005年の撮影で知り合って以来、今では大切な親友です。
ストックホルムエリアで産声を上げたブランドは、スカンジナビア、そして周辺のヨーロッパの国々へと成長を遂げてきました。ブランドにとって現時点でどちらの市場が大きな可能性を秘めていますか?
スウェーデンは自分たちの故郷であり、スウェーデンらしい製品をデザインしていく上では、ここでの活動はこれからも大切にしていきたいです。ドイツ、英国、日本や韓国といった市場でも素晴らしいスタートを切ることができているし、既にベルリンやミュンヘン、ロンドンの良質なセレクトショップでも取り上げられるようになってきました。米国でもいくつかの地域では自然や文化的遺産との組み合わせがファッション界で成功しているようだし、魅力的なマーケットであることは以前から認識をしています。ただ、自分たちは小さなブランドであるし、時を見極めながら歩みを進めていくつもりです。今は主にヨーロッパでの成長に勢力を注ぎたいかので。
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