今村育子

PEOPLEText: Mariko Takei

記憶の縁を微かにかすめるくらいの、ほんの小さな日常の中の出来事を大きな空間で光や影、闇を駆使して表現するアーティスト、今村育子。生まれ育った札幌を拠点に活躍する作家の新作個展「カーテン」がCAI02にて5月17日より開催される。2006年の個展「わたしのおうち」から4年を経て新作を披露する。

今村育子

どういう活動をされているのですか?

インスタレーションを中心に体験できる作品を作っています。過去の作品で言うとCAIで開催した個展「わたしのおうち」のような、見る人が作品の中に入っていける、そういう体験型の大型インスタレーション作品を手掛けています。

アーティスト活動をされるようになったきっかけを教えて下さい。

もともとはデザイナーになりたかったんです。高校生の頃は、音楽が好きで音楽のジャケットを作る人になりたいとボンヤリと思ってました。渋谷系といわれていたフリッパーズギターとかコーネリアスとか、あとフィッシュマンズとかが好きで、日本の音楽が面白くて、そういった音楽に関わるビジュアルを作りたくて、デザイナーになろうと思い、美大を受験したのですが、落ちてしまって。進路に迷っている時に、CAIの前身のリーセントアートスクールに出会ったのがきっかけです。
最初は現代美術というものを知らなかったので、アートにあまり興味がなかったのですが、スクールでCAIの端さんと出会い、いろいろなことを学び、アートの面白さを発見しました。

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個展「わたしのおうち」/ 2006 / CAI現代芸術研究所(札幌)

スクールにはどのくらいの期間通ったのですか?

2年間ですね。今は夜間だけのスクールなんですけど、当時は全日制といって月曜日から金曜日の朝から晩まで授業があり、好きなクラスをとれるようになってました。すごく良かったことは、アトリエを24時間使えるシステムがあったこと。人数も少なくて、今もアーティストとして活動している仲間達と朝までしゃべったり、制作をしたりという環境があったことが良かったなと思います。板東史樹さんというアーティストに出会って、板東さんと対話を重ねることで、自分の作品を掘り下げる訓練ができたことも大きかったです。

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