トーマス・シュッテ回顧展

HAPPENINGText: Filip De Haes

ソフィア王妃芸術センター(MNCARS)は、現代美術においてスペインで非常に重要な役割を果たす美術館である。永久所蔵品にはジョアン・ミロ、パブロ・ピカソやサルバドール・ダリといった名だたるスペイン人アーティストの作品とともに、マン・レイ、ルネ・マグリット、イヴ・タンギーほか数々の海外アーティストの作品もある。

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Entrance to the temporary exhibition

他の美術館同様、ソフィア王妃芸術センターでも企画展示が行われる。5月17日までは、トーマス・シュッテの回顧展が開かれている。1954年ドイツ生まれのシュッテは、ドイツで最も重要な現代美術家の一人。彼の作品は彫刻に始まり、陶芸やドローイング、ペインティング、イラストレーションまで多岐にわたる。

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Mann im Matsch mit Hund (1982) and Mann im Matsch (Model 1:200) (1983)

この企画展では、彼の様々な活動の中から厳選した作品を展示しており、多才なアーティストであるトーマス・シュッテの、色々な側面を見る事ができる。

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Blauer Bunker (1984)

この企画展のはじまりにはこう書かれている。「この作家は、人間が経験する孤独、傷つきやすさ、絶望を見つめ、同じタイトルを冠した一連の作品群を制作してきた。」しかし我々の目に映る彼の作品は色彩豊かなものが多く、そうした印象を受けるものはほとんどない。我々に想像力が足りない、ということなのかも知れない。

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Roter Kopf (1997) and Lonely I-VII (1996)

「ゲルバー・フント」「フントII」「フントIII」といった作品は、一連の作品群のように感じられる。しかし総じて言えるのは、トーマス・シュッテという作家は、現代に生きる多才なアーティストの真に代表的な存在であるという事だ。良くない作品にさえ、全てを納得させる力がある。見る者の、好むと好まざるに関わらず。

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Grosser Geist Nr4, Nr5 and Nr14 (1997, 1997 and 1998)

現代美術が好きな人なら、ぜひこの展示を見てほしい。しかし、この企画展だけで満足することなかれ。1936年制作のアルフォンソ・ポンセ・デ・レオンの自画像など、この美術館ではより刺激的な作品にたくさん出会えるのだ。美術館は地下鉄と鉄道のアトーチャ駅のそば。

Thomas Schütte – Hindsight
会期:2010年2月17日〜5月17日
時間:10:00〜21:00(日曜4:30まで)
入館料:3 Euro
会場:Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia
住所:Santa Isabel 52, Madrid
http://www.museoreinasofia.es

Text: Filip De Haes
Translation: Shiori Saito
Photos: Filip De Haes

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