横浜国際映像祭 2009

HAPPENINGText: Wakana Kawahito

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「シネマジシャン」ヂョン・ヨンドゥ

左手の奥ではヂョン・ヨンドゥの「シネマジシャン」が展示され、またさらに部屋を進むと、シャルタン・アケルマンの「ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン」やワン・ジャンウェイの「人質」、スティーブン・ピピンの「Ω=1」などを見ることができる。

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「静寂の音」アルフレッド・ジャー Photo: Kioku Keizo

さらに上の階に上がると、正面に見えるのは夥しい数の蛍光灯。その目が眩むような眩しさに段々慣れてくると、それが箱のようなもので、アルフレッド・ジャーの代表作「静寂の音」だということが分かってくる。これは、かの有名なピュリツァー賞を取った写真家を巡る議論がモチーフで、ただゆっくりと文字が現れるのだが、それはまるで、落ち着いた低い声で朗読を聞いているかのようである。静寂と衝撃に包まれた8分間をぜひ体験してもらいたい。

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「スクールヤード」アーナウト・ミック Photo: Kioku Keizo

一番奥の部屋では、隣り合った大きな2つのスクリーンにアーナウト・ミックの「スクールヤード」という作品が映し出されている。この作品では、視点が異なる2つのスクリーンによって、客観的な視点と主観的な視点の交差が起こっている。また、映像はスローモーションであり、かつ無音ということもあって、学校の校庭や校門での日常の何気ない出来事がよりドラマチックなものに見えてくる。

2つのメイン会場のほかにも、東京芸術大学大学院映像学科の馬車道校舎や野毛山動物園黄金町バザールなどでも様々な映画、映像の上映や作品の展示をみることができる。

会期は今月末まで。会期中多くのイベントや展示があり、短時間では回りきれないので、自分が興味があるものを事前にチェックして訪れることをオススメしたい。

ヨコハマ国際映像祭 2009
会期:2009年10月31日~11月29日 11:00~19:00(土日祝 10:00〜19:00)
会場:新港ピア、BankART Studio NYK、他サテライト
入場料:一般 1,300円、学生 1,000円、中学生以下無料
https://www.ifamy.jp

Text: Wakana Kawahito
Photos: Wakana Kawahito

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