ポール・セニョール

PEOPLEText: Bertina Appel

ポール・セニョールは、ケープタウンの郊外、ウェルゲモエドで生まれ育った。16歳で絵を描き始め、アーティストとしての基本的な訓練を受けずに、寝室や物置で作業をしていたが、現在はウッドストックに広々としたスタジオを持つまでになった。

ポール・セニョール

作品は、絵画やドローイング、家具デザインなどミクスト・メディアで構成。彼の絵は、見ていると、あるものに対する彼の潜在意識のイメージが広がるような、個人的なマインドマップとして説明することができる。様々な色を調和して使用し、アーティストの心や、ある特別な問題に対する主観的な見方に秘めた雰囲気を創り出し、ある種のテーマを伝えようとしている。ドローイングもまた、考えや新しいコンセプトがどのように自然に至るかを文字とイラストを使用して個人的で難解なマインドマップを表現している。

普段は、グラフィックデザイナーとして働いており、彼の作品の詳細はブログからチェックできる。

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c_loius leipoldt karoo winter, 300 x 300mm, Mixed media on fabriano paper

絵画や家具デザインの基本スタイルとその表現手段について教えて下さい。

多くの色を使うのが好きで、自分の作品のテクスチャーを楽しんでいます。テクスチャーを絵画に結合させることを好んで行いますが、特に作品の複雑なディテール部分に融合させます。いろんな形を好んで使いますが、構成は非常に重要になります。

制作する上で何かに影響を受けましたか?またそれは、何/誰からですか?

ほとんどの作品は、創造、そして、究極の創造者・イエスキリストから影響を受けています。それゆえに、自然と僕たちとの相互作用、その逆の相互作用に興味があり、自然の中における、複雑なディテール、パターン、色などを勉強するのが楽しいです。また、人々がお互いに、公共スペース、会話などで作り上げた環境の中での関わりが好きです。

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数ヶ月前、サロン91で開かれた「No Stranger Land(見知らぬ人がいない国)」という展覧会で作品を発表しましたね。非常に興味を掻き立てられました。作品について教えていただけますか?絵画の中で、ドイツ語やフランス語を使用しているのに気付きました。言語が、見ている世界を形にするための手助けになりますが、それゆえに、観る人に特別なメッセージを届けるために使っているのでしょうか?

作品のスタートポイントは、人々が互いにくっついたり、距離をとったりする手段として言語があるというのを基本にしています。初めのアイディアには、人々がバベルの塔を建てて、天国へ向かったという、旧約聖書の創世記が根底にあります。罰として、神は人々をバラバラにして、会話を混乱させました。人は他人との関わりの単純な方法として性別で分類されているという奇妙さに気付きました。だから、心の中では、基礎として言語を根底に置いた作品シリーズを手掛けました。英語の絵では、サミュエル・テイラー・コレリッジの詩から精神的な表現を拝借し、2つのアフリカーンス語の絵画では、著名なアフリカーンス語の詩をベースにしました。ドイツ語の絵ではドイツ語の詩を、フランス語の絵では、聖書の賛美歌を参考にしました。人々が純粋にビジュアルに重きを置いたり、作品に含まれる言語やフレーズを頼りに解釈できる作品を作り続けていきたいです。

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