遅鵬 × KENSUI「PARANOMIA」

HAPPENINGText: Wakana Kawahito

「80後」といえば、中国で80年代生まれの若者のことを指す。彼らは文化大革命後、一人っ子政策が始まった頃に生まれた。社会主義でありながら、市場経済がめまぐるしく発展してきたこの30年あまり。そんな激動の時代の影響をもろに受けてきた。

遅鵬 × KENSUI「PARANOMIA」
写真:加藤 健

遅鵬(チー・ポン)は1981年生まれ、ニュージェネレーションの写真家だ。
アート業界をみれば、これまで、中国アート界を牽引してきたのは、蔡國強(ツァイ・グオチャン)や張暁剛(ジャン・シャオガン)など、今も国際的に活躍を続けている50年代〜70年代生まれのアーティストだ。彼らは、欧米のアートシーンでの中国という国の立ち位置を強く意識し、エキゾチックかつ、政治的なシンボルや社会主義的な思想を使って中国アートを世界にアピールしてきた。

遅鵬 × KENSUI「PARANOMIA」
写真:加藤 健

一方、80年代生まれのニュージェネレーションの作家たちは、社会問題を描く際も、個人的で日常生活を言語にした表現を用いる。中でも、遅鵬の場合は、日常生活やこれまでの体験に彼なりの妄想エッセンスを加えて、不思議な世界感を演出している。例えば、北京の街角の風景、東京・渋谷の交差点にずらっと並んだアニメーションのキャラクター、パリのエッフェル塔の下に座る複雑な関係の2組のカップル。どれも中国らしさを強調しているわけではなく、作家自身の体験とイマジネーションから出てきたものだ。

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