モノサシに目印

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ウェブサイトのためのトータルデザイン雑誌「Web Designing」で連載されている長谷川踏太の「モノサシに目印」の約5年分を単行本化した「コトバ/デザイン/アソビ」が発売された。
長谷川踏太はロンドンに拠点を置くクリエイティブ集団TOMATOに所属し、インターネット広告やコーポレートアイデンティティなどの分野で活躍し、アーティストとしても作品制作や文筆活動もしている多彩なデザイナーだ。

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本書でははじめに、連載するに当たっての話があるが、連載当初に決めた5つのルールが書かれている。

1:文章主体でもデザイン主体でもなくその中間でやってみる。
2:よくある雑誌の連載ページのように、毎回同じレイアウトでやらない。
3:雑誌の中のページということを常に念頭においてやる。
4:遊ぶ。
5:やめてくださいと言われるまでやめない。

と言うものだが、本書を読み終えてから改めてそのルールを確認するとよく理解が出来た。
連載は、真面目で深い内容のページもあれば、本文がない実験的なページもあり、全てのページが違うレイアウトとなっていて、ルールを守ったおもしろさがある。他にアーティストとのインタビュー、連載を振り替えってのメイキングについても書かれており、より深く長谷川踏太の世界のおもしろさを知れる。


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「盗み見る」はなんだかおかしなレイアウトだ。文章はロンドンと日本の盗み見る文化の違いについて書かれているが、実は右隣の人がこのページを盗み見しやすいようにレイアウトされていて、本当の読者は自分ではなく右隣の人だと告げられる驚きの仕掛けだ。

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「閉じてみたくなるページ」では本文がない。薄っすらと画像が見えるだけだ。最後のメイキングで説明されているが、これは本文を読んでもらうのではなく、読者にページを閉じさせるという行動をデザインしたようだ。

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「情報と物質」は、シャープペンシルで書かれている。ここでは情報と物質の関係性について書かれているが、この情報をシャープペンシルの芯一本という物質で作ったようだ。情報と物質について実験的におもしろく読みやすく説明してくれている。

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「読書期待文」は、こういうものがあったらいいのにという話だが、そういった新しい提案は本書で良く出てきておもしろい。今回は本を読んだ感想ではなく、まだ読んでない本に対しての期待を書いてみることを提案している。自分でもやってみようかなと感じさせた。

この本を読んで、ただ一方的に情報を与えるだけではなく、読者の行動を操るようにデザインしてしまうことができるこの本はすごいと感じた。
長谷川踏太の、広告やデザインの話や、日常の生活への新しい提案、自身の面白いエピソードを交えた話など、様々な魅力のある話は、飽きることなく読むことができる、ぜひお薦めしたい一冊だ。

メディアの実験集「モノサシに目印」 コトバ/デザイン/アソビ
出版:毎日コミュニケーションズ
仕様:160ページ、220 x 180 x 18 mm
発売:2008年8月
言語:日本語
ISBN:978-4-8399-2799-8
価格:2,520円

Text: Asami Miyamura

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