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アート・バーゼル 2008

HAPPENINGText: Kana Sunayama

晴れ渡る空と初夏のすがすがしい天気もアート・バーゼルの重要な要素の一つであるにも関わらず、 第39回を数える、2008年のアート・バーゼルは、肌寒く雨が降ったりやんだりするような曇りがちの空の下、開催された。

アート・バーゼル 2008
Public Art Projects

アート・バーゼルとは、地球上の現代アート関係者が全員一致で「世界一のコンテンポラリー・アートフェア」と呼ぶであろう、フランス、ドイツ、スイスの国境が接する街バーゼルで、毎年6月に行われる現代アートの特産展とでも言えるだろうか。

アート・バーゼルに参加することは誰にでも開かれた扉ではない。厳しい選考を通過した世界中に散らばる約300のギャラリーだけが、ブースを持つことのできるフェアなのだ。これらのギャラリーは、お抱えアーティストの知名度や質の高さだけではなく、小さなブースでフェア期間中に繰り広げる展示の質、そしてギャラリーの気品や清廉さも評価の対象になる。ここはスイスなのだ。アートバーゼルの規律に従わなかったギャラリーはどんなに素晴らしいプロジェクトを掲げてきても、もう再びバーゼルに戻ってくることはできないのである。

そのようないつも選考委員たちが目を光らせている格調の高いフェアであるからこそ、どのギャラリーも、この小さな街での一週間に合わせ、 何か月も前から質の高い作品を確保し、多くの場合はこの機会のために、アーティストたちにプロジェクトを提案し、現在最も市場評価の高い作家たちの最新作の発表を兼ねるのである。

アート・バーゼルではフェアに合わせて討論会や映画上映会などアートを「考える」場としても発展させていこうという意図なのか、近年展示以外のイベントも増えてきた。しかしバーゼルまで来るのなら目的はやはり最高のアート作品を見て見て見て、心ゆくまで楽しむことだろう。これらの作品展示は5つのセクションに分けられる。

まずひとつ目は、パブリックアートプロジェクト。アート・バーゼルの会場であるメッセ前の広場に屋外用のパブリックアート作品が展示される。今年はイザ・ゲンツケンのバラとダン・グラハムのいつ見ても美しいハーフミラーを利用した作品が道行く人の目を引いていた。

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