フリーガー&ファンダム

PEOPLEText: Lotje Sodderland

フリーガー&ファンダムは、キャロラインとヘインは、オランダ人夫婦のデュオで、この二人が結ばれたのは、二人の友人がセッティングしたカジュアルなお見合いの手柄による。結婚するまでに至り、クリエイティブな活動でも息がピッタリなこの二人を繋げたことは大正解であり、この情欲に満ちた友人はかなりの斡旋料をもらうべきかもしれない。フリーガー&ファンダムの二人は、年間二つのコレクションを制作し、彼らの商品は世界中50カ所以上のブティックで売られ、2006年には大人気のガーディアン・エンジェル・バックがMoMAのパーマネントコレクションに加えられた。

どちらもファッションを勉強したことはなく、だからこそ、レベルの高いデザインと質を兼ね備えながらも、少しおふざけの要素を取り入れた、使い勝手の良い、誰にでも受け入れられるようなこれらのバックの市場を見つけることができたのだ。

ロッテルダムにある彼らの自宅兼仕事場を訪ね、お茶やビスケットをほおばりながら、話を聞くことができた。

Vlieger & VandamVlieger & Vandam

2002年にロッテルダムに移ってきた時の話から始まり(おそらくこれが最初ではないと思うが)、地元メディアが街中での治安の悪化を盛んに取り上げていたこと、その矛先が移民たちに向けられていたこと、ガーディアン・エンジェルのシリーズはどのような発想をもとに生まれたのかという所に至った。キャロライン曰く、『私たちが実際に体験したことをもとにしたというよりも、メディアに対しての反応により、このバックが生まれたのです。ちょっと(メディアが)反応し過ぎなのではないかな、一般市民を不安にさせるだけなのではないか。ガーディアン・エンジェルバッグがこんなにも長続きするとは、夢にも思いませんでした。』

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Guardian Angel, “Messenger” and “Classic”, S/S 2008

フエルトにエンボスされた拳銃やナイフは、すぐさま人気商品となり、二人はファッション界の先端を行く事となった。ヘイン曰く、それからは「毎シーズンごとにバックの形も少し変え、色も変えるようにしている」そうだ。しかし、そんな二人にもガーディアン・エンジェルスには飽きがきてしまったようだ。「もう拳銃やナイフには飽きてしまって」とキャロラインは続け、『だから他のものを作りたいと思うようになりました。現在は、念願の新しいコレクションであるカミーに、ついに色々なクライアントが興味を示し始めているところです。』

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Camee, “Charlot” and “Moustache”, 2008

カミー・シリーズは2008年1月に、誰もがあがめるパリのプレミエール・クラッセ・フェアでデビューし、革のバッグに模様のないフエルトの色で形どられた小さな胸のポートレートされている。アメリカのポップアーティスト、アレックス・カッツが撮るポートレートとランドスケープに触発されたものであり、フリーガー&ファンダムの初期の実験的なシリーズもまた反映されている。ヘイン曰く、『結構前に作った帽子で、「ヘアー・ウエア」という、これもフエルトで作られた、髪の毛のような形をした帽子を作りました。これらのバックは、このときに作った帽子を参考にしていたのです。この帽子をまた取り上げたくなり、カミーバッグと一緒にこの帽子を紹介したいと考えました。ですから、これはアレックス・カッツに発想を得た色と帽子へのアイディアだったのです。』

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