ツリー・オブ・ライフ

HAPPENINGText: Yurie Hatano

無造作に置かれたダンボールや階段に座り込み、ひたすら映像を楽しむ者、ライブ音に耳を傾ける者、おしゃべりに没頭する者、踊り疲れて休憩する者、中にはさも気持ち良さそうに寝てしまう者などもいて、それぞれに思い思いのゆったりとした時間が流れていた。

また、ユニークで贅沢なフードブースも展開されていた。ある時はVJ、またある時はDJ、またまたある時は寿司を握るという奥尻島出身、函館在住のスシパンクによる寿司バー。DJプレイをしているかのような握りっぷりで絶品を振る舞う。

また、「生産者はアーティスト、素材は作品」として、自然や生産者との関わりを大切にするオリジナル島ブランド島食材からの三平汁では、まさにそこに北海道を食べた。

こうしたフードの容器として使われていたのは、エゾロックの提唱する環境対策リユース容器。ラウンジスペースのみならず、会場で販売される全てのドリンクにも同じように、軽くて丈夫で再利用可能な容器が使われた。返却すると100円が戻ってくるデポジット・システムも何だか嬉しいし、使い勝手も見た目もよい。何よりもこうした行動が特別に主張されるでもなく、意識されるでもなく、提供する側も利用する側も自然に行っていたことが印象的で気持ちが良いのだ。

さらにラウンジスペースには、入口スペースに展示されていたカミネッコンも登場する。カミネッコンのブースに集まった人々が、思い思いにカミネッコンを組み立て、メッセージやデザインを描かきはじめた。このイベント時間中に、みんなで一つの夢の木、カミネッコンツリーを作ろうというもの。人と繋がり、遊びの中から小さな力を大きな一つに。感じて表現し行動することで、考えるきっかけに。まさにイベント全体のテーマがわかりやすく現れた縮図がここにあった。

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