バンケット・プロジェクト

HAPPENING

グラン・カナリア文化協議会に、「バンケット・プロジェクト」について尋ねるとこう返ってきた。『私たちは、私たちができる最も重要な提案はコミュニケーションである』。
そして彼らは、ちょうど2ケ月ほど前に「グラン・カナリア・デジタル・スペース」のオープニング・エキシビジョンを開催するに至った。


展示フォーマットは、国内外からコレクションされた、ビデオアート、インタラクティブ・インスタレーション、ネットアートや、トランスジェニック・アート。
メインテーマになっているものは、アートと科学の融合とアートとしてのインフォメーション・テクノロジー。展示は主に2つに分類される。ディストーションとバイオスフィア/インフォスフィア、コードの迷宮旅行。

「バンケット・プロジェクト」のディレクターであるカリン・オレンシュレイザーとルイス・リコはこう言う。『今日、アートは、混沌とした構造と複合的なシステムを探究している。それを構築するのは、成長アルゴリズムと遺伝情報。結果として起こるアートプロジェクトはコミュニケーションのために新しい空間を発生させ、通信ネットワークを通して循環し、現実社会を生成させる』と。

オーガナイザーとアーチスト達は自身に問いかける。バックグラウンド・ノイズの中から知識を身につけるというのはどういうことかと。『透明という教義を作ったこの情報社会は濃い不透明を引き起こしている』と彼らは確信している。

作品は、情報コミュニケーション・メディアを基盤に、生命、社会、テクノロジー、文化システムの間の関係性を探究している。

ブラジルのエドゥアルド・カクのマルチメディア・インスタレーション作品「Move 36」は、1997年にディープブルーと呼ばれたコンピュータによってチェス世界チャンピオンのゲーリー・カスパロフに対して講じられた手段を思い出させる。インスタレーションは、コンピュータとロボットによって引き出された人間の心と能力の限界を解明するものだ。

ドイツのフランツ・ジョンは、数学者アラン・チューリングの理論に基づいたインスタレーション作品「チューリング・テーブル」を制作した。このインスタレーションは、地震の情報を視覚化するもので、グローバルな視点で、地球の脈動リズムがインターネットに接続される。

アメリカのゴラン・レヴィンとザッカリー・リーバマンはインタラクティブ・インスタレーション「メッサ・ディ・ボイス」を制作。これはリアルタイムに2人のボーカリストの出す声に反応し、それを視覚化するインタラクティブ・ソフトウェアをカスタマイズしたオーディオ・ビジュアル・システム。テーマとなっているのは、洗練されて遊び心のある仮想世界の環境内における、抽象的なコミュニケーション、類似美学の関係、漫画の言語、など。

これらの作品を見たあとに、私たちは、多くのものが技術発達によってもたらされたことを明確に確信するだろう。しかし、コミュニケーションはどうだろうか?
アーチストが、コミュニケーションの新しい手段を探究し、そこから作品を制作している間、私は疑問を感じてしまう。私たちはどこに向かっているのか?
確かなことは、情報技術は素晴らしいアートのコンビネーションを生み出すということ。まだ確かでないのは、果たしてそれが日常生活にうまく溶け込むことができるかということだ。

Banquete_ project
会期:2005年9月27日〜10月28日
会場:Gran Canaria Digital Space
住所:Cadiz 34, Las Palmas de Gran Canaria
http://www.grancanariadigital.com

Text: Gisella Natalia Lifchitz
Translation: Yurie Hatano

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