テープデザインの世界

THINGS

「TAPE – テープデザインの世界を小旅行」は、ドイツ在住の26歳の女性デザイナー、カースティン・フィンガーの監修した本。これはテープデザインを扱った初めての本ではないかと思う。
この本はベルリンのゲシュタルテン出版社によって出版されている。この本には、4つの章があり、索引がある。1章はアーティストとデザイナーの章、2章は“やってみよう”の章、3章はTAPEのイラスト、そして4章の文章と続く。


粘着テープは近年、様々なデザインプロジェクトで使われるようになってきている。この本はそんな最近の流行を取り上げ、テープデザインの作品をたくさん紹介している。そしてアートやインテリア、ファッション、家具、建築の例を示してくれる。カースティンはこの本で、流行をふまえた彼女なりのセンスの良さをみせてくれている。

ニック・ヘス、ジム・ランビー、ベアート・ゾデラー、トーマス・ヒルシュホルンを始めとする最近の現代美術家は、テープを使う代表的な作家である。そこでこの本ではそれらの作品をまとめている。以前のアートシーンではテープは使われることはあまりなかったが、今やテープは鉛筆やハサミと並び、オフィスでのスタンダードとなっている。

アーティストとデザイナーの章では、アートやデザインとして粘着テープを使った作品が載っている。例えば、ロシアのアーティストのワレリー・コシュリーコフは、モナリザのような有名な絵画や、有名な建築物を、様々な色のテープを使って描いた。彼女はキャンバスを使わず、展覧会会場となった美術館の壁にそのままテープを貼付け、作品を作った。

その他に、変わったテープも紹介している。例えばこの「プラントテープ」は、壁に張付けていけば、植物が完成するというもの。

“やってみよう”の章は、役立つか役立たないか良く分からない175の粘着テープの使い方から始まる。例えば、タバコのフィルター代わり、とか、嫌なやつを壁や床や天井、ベッドに貼付ける為、だとか。そんなおもしろい使い方の紹介の後に、白黒の写真が出てくる。日常生活の隅々に、粘着テープが使われている写真だ。

イラストのパートでは、カースティンがどうやって粘着テープをイラストにしているかが見られる。古くなった粘着テープが新しい形にアレンジされている。文章が載っている章では、粘着テープアーティストの書いたさまざまな体験を読むことができる。そして、粘着テープの歴史やシンボルとしての粘着テープも学ぶことができる。また、粘着テープのおもしろい話も載っている。

本書はこう締めくくられている。『世界は神様がつくったものだけど、粘着テープでつながっているんだ。』
粘着テープワールドを知るなら、この本しかない。

TAPE
An Excursion through the World of Adhesive Tapes

著者:Kerstin Finger
出版:Die Gestalten Verlag
仕様:160ページ, 168 x 240 mm, オールカラー, ハードカバー, 英語
発売:2005年9月
定価:25.00 EUR, 36.00 USD, 19.00 GBP
ISBN:3-89955-088-9
info@gestalten.jp
www.gestalten.jp

Text: Tim Engel
Translation: Yu Murooka

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