横浜トリエンナーレ 2005

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

ヴォルフガング・ヴィンター&ベルトルト・ホルベルトのアーティストユニットによるパビリオン作品「ライトハウス」はビールケースを積み上げて、独特な風貌をもつ空間を創造していた。コンテナの上に立てられたその作品は螺旋階段から内部に入ることができ、入室者の想像力を刺激する。夜はライトが灯されるという。


Wolfgang Winter and Berthold Hurbelt, Light house

残念ながら夜の状態は見ることができなかった。また、このトリエンナーレのために製作されたスインガークラブは発光するプラスチック(よく観ると車のテールランプの部品を積み上げて作られていた)の造形物と光るブランコの作品は、幻想的に会場内に浮かび上がり、観客が気持ちよさそうにブランコに揺られていた。


Yoshitomo Nara + graf, A to Z

奈良美智+grafによる作品は、会場内に小屋のような不思議な建造物を建て、その中に奈良美智によるドローイングなどが展示される「AtoZ」。なかには作業場を再現したような空間インスタレーションもあり、作品にまつわる様々な物語を想起させる。特に印象深かったのはコンテナに沢山ののぞき穴が開いており、そこを覗き込むの無数の犬のフィギュアが並んでいるインスタレーションだった。


Atelier Van Lieshout, Arsch Bar

会場はとにかく広く、東京ドーム2つ分くらいはあっても嘘ではない規模。その中を動き回り作品を見て回るのは頭と体力が必要になってくる。そういった心と体を癒す休憩場も例によってアーティストによる作品となっているのが嬉しい。その憩いのカフェとなっているのは少々、奇怪な形をしたアトリエ・ヴァン・リースホウトの「バー・レクタム」。出展されている作品には「Arsch Bar」とプリントされていたが、身体の内部器官を模したというこの作品の中に入って休んでいるのは変な気分でもある。

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