マーガレット・キルガレン

PEOPLE


これは、ロスアンゼルスの中心街にある「レッドキャットギャラリー」で行われたマーガレット・キルガレンの回個展の模様である。この模様に対して、かの有名な建築家・フランク・ゲーリーがデザインによる、まるで宇宙から舞い降りたようなウォルトディズニーコンサートホールのメタリックな建築は、これ以上にないほどのはっきりしたコントラストを見せている。しかし会場の内部に入ってみると、観る者はただちに、温かみのある、茶系の、サーファー的な世界や、流れものの描写や、すばらしくアレンジされたタイポグラフィなどから成るマーガレット・キルガレンの世界に取り込まれる。これらをみると、イームズやハーマン・ミラーと仕事をしていたアレキサンダー・ジラルドの作品を思い出してしまう。ジラルドはアーティストというよりはむしろクラフトマンだったが、フォークアートに対して親しみと尊敬の念を抱いていた人だ。

マーガレットは、2001年に癌で悲劇的に夭折してしまったのだが、海辺の絵描きであった彼女は、今でもアメリカの現代絵画に多大な影響を及ぼし続けている。ハンドクラフトに対しての特別な影響を見せつつも、彼女は文化的な暴徒としての20世紀の女性のグループ—サーファーや流れ者や旅するミュージシャンたち—を断片化して、そこら辺で拾ったメタルやファブリックにミスマッチに貼り付けて、描いていった。本回顧展は彼女の仕事に対する最初の大掛かりな調査であることを証明し、それはまた、彼女の夫と、頻繁にコラボレートしたことがあるバリー・マクギーが選んだという大掛かりな2つの壁のインスタレーションをも含んでいる。

この回顧展は、コレクターの個人蔵やアーティスト自身の財産から持ち出されたおよそ100点のペインティングとドローイングがフィーチャーされている。それは彼女の仕事に対する最初の大掛かりな調査であり、回顧展に付随して、アーティストの豊富なキャリアの間に生み出した何百にも及ぶ作品に対してのジョン・スエダによるドキュメントなどが収録された208ページのカタログも出版された。

マーガレット・キルガレンは1967年にワシントンD.C.で生まれ、1989年にコロラド大学のBAをプリントメイキングの分野で取得した。司書としてあるいは製本者としての若いころの経験が、アメリカの民族的な伝統によって描かれたサインやプリントメイキングや活版印刷など、広範囲にわたる博学を彼女にもたらした。

マーガレットは壁面にダイレクトにプリントを施し、パーソナルなクラフトやハンドメイドのサインが美しいものとして最有力だった彼女の子供時代—そのころ、家族で頻繁に西部のメリーランドに旅行をして、そのときに彼女はキルトや家具やサインペインティングなどにみられるアーミッシュのクラフトマンシップ、そしてそれらの背後にある彼らの哲学に多大な尊敬の念を抱いたのだが—を思い出させるような部屋の大きさそのままに壁画を創造した。これらの経験をふまえて、結果として彼女は“私は常に良く出来たものや、あるいは良く出来てないものに対しても称賛してしまう。人が作らなければならないものは生活に従う”と言うに至った。

これらの旅の途中で、彼女は“白人、あるいは白人国家の人々”にさらされ、そこでヴァイオリンやバンジョーコンテストやクラフトフェアや、オークションなどに触れて、民族的な伝統、特に古い音楽や歴史やアメリカの歴史の核心部分に興味をもった。この回顧展は世界各地で巡回される。

Margaret Kilgallen: In the Sweet Bye & Bye
会期:2005年6月16日〜8月21日
会場:Redcat Gallery
住所:631 W. 2nd Street, Los Angeles, California 90012
TEL:213.237.2800
http://www.redcat.org

Text: Reto Caduff
Translation: Ayako Yamamoto

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