ヴァニラ・スポーツ VOL. 01

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

現代のコミュニケーションリアリティをテーマに、サウンド、ビジュアル、身体、テクノロジーを融合した空間表現を行うパフォーマンスユニット、サル・ヴァニラが、六本木にあるスーパー・デラックスというカフェ、バー、ギャラリーが融合した多目的スペースを舞台に、古代のコロッセオから着想を得たというアートコラボレーションイベント、ヴァニラ・スポーツ Vol.1 をプレゼンテーション。サル・ヴァニラのメンバーをはじめ、様々な分野で活動するアーティスト達がサウンド、ビジュアル、身体を駆使したパフォーマンスを行った。

比較的広めのスペースには真っ白な平均台が設置され今日の舞台装置としての存在をアピールしている。イベントの始まりは、サイン波の様な音響っぽいサウンドが、「ピコーン、ピコーン」と人の少ない会場を鳴り続け、静かだがイベントとしてのスタートを印象づけ、松本充明によるストイックなサウンド・パフォーマンスへと繋がっていった。

そして、コトラニトラによるライブ・パフォーマンス「コトラニトラ”」。パイプを使用した3人の人物による躍動感があり、一種神経症的なパフォーマンスが、松本充明によって催眠状態に陥れられていた脳を一気に覚醒の場へとシフトする。

次に、この二組のパフォーマンスにより少し歪められた、六本木の地下空間の壁に投影された映像は、未来的な白いスーツを着たサル・ヴァニラが、都市を舞台にパフォーマンスをするオーディオ・ビジュアル・ライブ。心地よいサウンドを担当するのは、クロマのグラフィックを使用したコンセプチャルで良質なテクノミュージックをリリースする新鋭レーベル、WCレコーディングスから近日アルバムをリリースするという熊地​勇太。最近流行のクリックハウスっぽい要素にセンスの良いハットの動きと、小気味よくカットアップされた映像が、少しディープ目になっていた会場を少しずつナイスなグルーヴへ変化させた。

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